2002年12月09日(月) 白は絶望の色 〜M線万歳

午前7時。

「朝だよー

すごいことになってるよー」

本日という名の災厄はそんな母の一言から始まった。

今シーズン初雪。

普段雪の降らない関東平野に雪が舞い。

何もかもを真っ白に塗りつぶして行く。

ああ……



















いつも通りの時間に起こすくらいなら、いっそのこと夕暮れ時まで眠らしといてくれ。









こんな時間に起きたって遅刻確定じゃないか!

交通機関は大打撃を受けているだろうという予想が頭の中に描かれる。

いや、ちがう。





大打撃を受けるのはJR M線





とにかく何だか分からないがよく止まるのだ、M線。

風が吹けば止まる。
雨が降れば止まる。
何か魅惑的なものがあるのか人身で止まる。
何もなくても信号機勝手に故障させて止まる。

他の交通機関がのろのろとでも動いている中、絶対あのCrusade主人公的軟弱路線だけは止まってる

ベッドの中で既にそう確信する私。

とにかく会社に遅れるわけには行きませんので必死に支度し、何とか7時30分、普段の30分前に家を出ることに成功。

これなら、ちょっとばかしM線が根性無し全開した所で大丈夫だろう。

そう思う所で私はまだあのM線の実力を甘く見ていたのであった。
この時は、全く気づくことが出来なかったが……










私が通勤に使う路線は合計3線。

まず最寄り駅から乗車するI線は、辛くも生存しており、普段あと10駅ほど先から起こるラッシュが既にこのど田舎から始まっていたことを除けば通常通りの運転だった。(ダイヤ自体は乱れていたが、電車は続いてきていた)

少し安心。

密室肉布団をしばし満喫し、乗り換える。
次が問題のM線である。

テクテク歩いて駅につくと、既にホームへ続く階段の下にまで人が溢れている。
改札の前では駅員さんが遅延証明配りつつテンパってる。

ああ……なんてお約束に忠実なんだ……

はっきり言って予想通り。
何なんでしょうか。この脆弱さはいったい何。あれでしょ、あんたも子供の頃拷問受けたりしてたでしょ、だからでしょ?

イヤ別に某Crusade主人公が貧弱なのはその所為では決してないけど。

とりあえず……

待ってみる。

待ってみる。

待ってみる。

電車は来ないわけじゃない。

ホームにいるのに動かないのだ。

つまり、やはり激しく遅れてるとかそういう生易しい話じゃなくて完全に死んでいるというわけで。

ああ。

即刻、早く出た30分は食いつぶされました。

ホームにアナウンスがかかります。

「列車の再開は未定ですので、振り替え輸送をご利用ください〜」

プライドないんか国鉄。

うーん……

いっぺん都内まで出て営団使って反対側からまた県内入りするのか……

再開とどっちが早いだろう。

多分、いくらなんでも再開の方が早いだろう。

が、私はささやかなM線に対する抗議の声とばかりに、振り替え輸送の乗り降り自由の夢切符を手に取った。

再びI線に戻り、そのまま上り電車に乗り込み都内に向かいます。

こちらの電車の動きは笑えるほどにスムーズで頭に来ます
時間も時間ですから車内もかなり空いていますしね。

そんなこんなで都内に入り、適当な所でおりまして……











さて、どう行けばいいのやら。










ここに至って初めてそんなことを考えてみたり。

だってぇ! 私地下鉄全然わかんないんですよ!
ただ一本だけ、目的の線に乗り継ぐルートを知ってはいたんですが(なぜならコミケに行くのでたまに使うからだ)、はっきり言ってかなり遠回りと見ました。目的地が違います。むしろ反対側です。
網の目のように張り巡らされた地下鉄網の中にはきっと、もっと効率的にショートカットできるルートがあったりするに決まっています。

ということで改札の地図を見ながらしばし熟考……

今いるのがU駅だからここからG線にのりかえて、いや違うM線に乗り換えてG駅に行ってそこからI駅、その次に……ええと……んと……

わかるかこんなもんッ!!

私は電車に乗って外出する際は必ず「駅すぱあと」見てから出るんだよいつもッ!!

そんな人間がショートカット狙ったのがいけなかったか、はたまたそれ以前に振り替え輸送を使おうと思ったこと自体がいけなかったのかは判断にお任せいたします。

むしろ何故か私は営団地下鉄にこだわっていましたが、よく考えたらこの時点で、山の手線でも使ってれば一発でいけるような(乗換駅に)場所にはいたんですよね。
ほんと、普段乗らない人は怖いです。






始業時刻、10:00。

何故か三越の看板が見える。

何で私こんな都会にいるんだろう?

ああそうだ、きっと私はまだ夢を見ているのね(逃避開始)。
ここはあったかいお布団の中なのね。そうよ、雪の日だというのにとても温かいのだもの(地下だからです)。うふふ。都会に憧れるなんて私、おしゃまさん。うふふ。あはは。

……早く乗り換えよう(逃避終了)。





10:30。
ともあれまさに右も左も分からない地下大迷宮を探索し、ほうほうの体で目的の路線に到着。

ああ、遠かった……

ようやく会社に着くよ……










昼ごろに。










私の半日が。終わる。

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