姉が生まれた赤ちゃんを連れて実家に帰ってきました。 私にとっては姪です。 赤ちゃんは生後七日という事もあって小さいのなんの。 そのエキサイティングな動きや泣き声もあって、本当に自分と同じ生き物なのかとビビリました。 でも鼻や口や耳や手足を見ると、小さいのに私ら大人と全く同じつくりをしているのですな。 そしてほっぺたや掌や足がまた柔らかい。いつまでも触っていたい位柔らかい。 早速先日買ったデジカメを(シュテル以外に)初出動させ、状況や撮影対象に応じてピントや色味を調節してくれる機能を使い、「食べもの」モードで撮影しました。 姉に便所コオロギを見るような目で睨まれました。 ――――― 「ガルデン様がこんなに小さい頃の話ですが、初めてわたしの名を呼んで下さった時には感動のあまり涙で前が見えませんでした」 「大袈裟なやつだな」 「大袈裟などではありません、何せイドロやマーカスよりも先にわたしの名を呼んで下さったのですから。 『しゅー、しゅー』とこう、わたしを指差して……」 「……なあイドロ」 「何だい、マーカス」 「あの時俺たち、シュテルの後ろで、シュークリーム作って皿に積んでたよな」 「……。 ……知らない方が幸せな事もあるよ」
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