GARTERGUNS’雑記帳

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檻の中の令息(キワモノネタ注意)
2004年05月18日(火)

「嘘・大げさ・読み易い(展開が)」と三拍子揃ったVシネアクションが大好きな当方なのですが。
それをリューで、しかもシュテガルでやるとどうなるか。




アースティアTV深夜のサスペンスアクションVシネ劇場
「檻の中の令息」



―――――「ロード製薬」。
嘗ては「カオスティア製薬」の子会社であったのが、秘密裏に進められた新薬開発の成功と会長を始めとした役員、社員、研究員の辣腕ぶり、其処から広がる強力なコネクションによって見る間に発展し、ついには「親」を見限る形で独立した会社である。
その目覚しく輝かしい成長のあおりを食らって「カオスティア製薬」は斜陽の一途を辿り、遂には倒産した。

それから数年。

押しも押されもせぬ巨大企業に成長した「ロード製薬」会長の私邸に、彼の留守を狙って或る日五人の男女が押し入る。
彼等の狙いは金でも宝石でも無い。仕事の為なら何を捨てても惜しくないと公言する会長が唯一つ大切にしている「血族」、美貌の会長令息ガルデンだった。
邸宅内の使用人や警備員を片付け、ガルデンに迫る侵入者。
護身用にと修めさせられていた数々の武術で、果敢に侵入者に抗うガルデン。
そして日頃可愛がってくれた彼……主人を護るべく勇猛に牙を剥く番犬(ドーベルマン)のシュテル。
圧倒的不利な状況で、それでもガルデンとシュテルは必死に戦うのだが……
不意に侵入者のうち一人の女の撒いた香によって、ガルデンが五感を狂わされる。
鋭敏な感覚を失い、侵入者に追い詰められるガルデン。主人の様子がおかしいのに気付き、狼狽したシュテルは、その一瞬の隙を衝かれて銃で撃たれる。
動けなくなったシュテルの目前で捕らわれた主人が■■な侵入者の■■押■■■■■れ■■されて■■■気丈■耐■■■■■■■■■■たが処■■■■■■■■■遂■■鳴■■■、そ■■シュテ■■■■■■で一度も上げ■■■無か■■狂■■■■吼■■■■■る■■■を煩■■■打■■更に見■■■■■■■痛■■■■■■■■■■■■■る。(注:検閲削除)
やがて意識不明になったガルデンを抱え、部屋に火を放って去る侵入者達。
燃え落ちる屋敷の中で、主人を侮辱され奪われた犬は己の無力さを呪い侵入者共の卑劣さを呪い、攫われた主人をひたすらに恋い慕いながら、断末魔の叫び声を上げる。


数ヵ月後……
各メディアで連日連夜取り上げられた「ロード製薬会長宅放火殺人事件」が、会長令息の遺体も発見出来ないまま未解決事件として風化し、日々の営みに忙しい人々の脳裏から消え去った頃。
一人の男が、未だ事件の記憶が残る会長私邸跡地に現れた。

黒い髪。
黒い肌。
しなやかで頑健な体躯、鋭い黒曜石の瞳。
男は土に埋もれていた汚れた「札」……ドッグタグを拾うと、それを己が首に掛け、密やかに誓う。

「ガルデン様……何処かに居られるかけがえの無い方、美しく誇り高き我が主。
 この忠実な犬が、必ずやあの下郎共の血を贄に、あなた様をお救い致します」

タグに刻まれた名は「STERU」……「星」と「死」から生まれた下僕の諱(いみな)。
黄泉路より蘇った彼は現世(うつしよ)にてヒトの躰を得、殺戮と邂逅の為に今一度焼けた土を踏みしめる。

仇は五人―――――

黒曜石の瞳が真紅に染まる時、呪詛と思慕、妄執に彩られた復讐劇が幕を上げる。



何かこんな感じで。
で、多分全六話になっていて、



第一話―――漆黒の復讐者
シュテルによる会長宅襲撃事件の回想と、「仇」が全てカオスティア製薬の関係者である事が判明する辺りがメイン。
話の終盤でシュテルに始末される「仇」は、元カオスティア製薬の幹部候補の一人、ギメル。表か裏かのコイン占いなんかで、シュテルの主人をなぶりものにすると決めた男。
襲撃の報酬として手に入れた豪邸のプールにて、突然現れ命を狙ってきたシュテルの正体に、やっと気付きかけた所で感電死。


第二話―――紫紺の破砕者
巷を騒がせるコンピューターウィルスやワームを次々に作り出す敏腕クラッカー「サルトビ」が登場。その正体は過去の「ロード製薬」の強引な進出によって借金を抱え込み、心中した一家の生き残り。
「ロード製薬」の会長を恨んでいたという事で「仇」かと疑われるが、実際はシロ。シュテルから会長宅襲撃事件の全容を聞いたサルトビは、「誰がそんな汚い真似するか」と激怒。サルトビのクラッキングの師匠である爆烈丸も交えて、何故か皆で「仇」の正体を調べる事に。
割り出されたのは、やはり元カオスティア製薬の幹部候補の一人にして、今では医療用計測機器メーカーの重役となっている男、ドアン。
ロード製薬会長……ひいてはその息子であるガルデンが持つ稀有な「血」に興味を示して襲撃に加わったらしい。
現在彼は襲撃で得た「データ」解析の為、また襲撃の際に番犬に傷付けられた視神経を回復させる「機械仕掛けの義眼」の調整の為、コンピュータシステムで護られた研究室に一人閉じ篭っている。
シュテルはそんな0か1かの世界に倒錯した挙句、主人をモルモットの様に扱ったドアンを始末する為に、サルトビと爆烈丸からコンピュータウィルス「闇風」を入手する。
ドアンの収集・解析したデータをコピーして取り込み、原本(オリジナル)は速やかに凍結・破壊・消去してゆく「闇風」。ドアンは暴走を始めた研究所から車で逃走しようとするが、義眼へのウィルスの侵入に気付かず、目測を誤って事故死。


第三話―――深緋の追想者
これまでの経過と前回入手した情報から、「仇」にあたりをつけるシュテル。
ギメル、ドアン……彼等と同じく元幹部候補にして精神系薬物のエキスパートであるアドリア……彼女等の上司である元カオスティア製薬重役のリゲル……
そして、リゲルの愛人であり、カオスティアとロードが袂を分かつまでは会長やガルデンとも懇意にしていた女、イドロ……。
しかし肝心の主の居場所ははっきりとは掴めず、シュテルは苛立ちを募らせる。
そんな折爆烈丸が、現在アドリアが勤めている製薬会社の上層部が、会員制の秘密パーティを催しているという情報を入手。
野生の勘で何かを感じ取ったシュテルは、酒色は無論、値千金のデータや一般の流通には乗らない薬物まで出回るというその宴に潜入する事に決める。
しかしパーティが開かれるのは、十重二十重のセキュリティを完備したVIP用のホテル。しかも先日のギメルとドアンの殺害事件の余波か厳重な警備がしかれ、テロでも起こす装備が無ければ忍び込む事は出来そうに無い。
かと言って本当にテロ紛いの事をすれば、無駄に騒ぎが大きくなるだけでなく、本来の目的である「主人の情報」まで逃してしまう可能性がある。
再び壁にぶち当たるシュテル。
其処に現れる、緋色の髪をした一人の青年。
主の数少ない友人……運輸業において絶対のシェアを誇る、陸海空全ての覇者たるウォルサム家の当主、アデュー・ウォルサム。
彼は、目の前の黒い偉丈夫がガルデンの護衛犬「シュテル」である事を見抜き、これまでの事情も知った上で協力を申し出る。
自らの力を使って、パーティの招待状を手に入れると言うのだ。
かくして正装までさせられて「正攻法」でパーティに潜り込んだシュテルは、其処で我が目を疑うものを目撃する。



まあアレですわ、アドリアに薬漬けにされてラリラリになったガルデン(外見上は52話)が、パーティの高級ホステス(コールガール?ストリッパー?)として働かされていたとかそんな感じの光景が。
雑記帳上では何なのでそのあたりはさらりと流して。
で、アデューとシュテルは、そんなラリラリガルデンをパーティ主催者側から「買う」事で、一晩だけ共に過ごす事が出来る様になると。




第四話―――虎黄の簒奪者
漸く見つけた主は、薬物漬けにされた挙句「仇」の懐を潤す為に、パーティの度に客への接待を強要されていた―――――
余りに惨い事実にシュテルはショックを受け、今すぐにでも彼を此処から解放したいと考えるが、現状はそれを許さなかった。
自分が不甲斐無いばかりに大切な主人がこんな目に、と号泣するシュテルを、不思議そうな目で見詰めるガルデン。今の彼は、自分がどうしてこんな所に居てこんな事をしているのかも判っていない様子だった。
が……シュテルが着けているドッグタグやアデューの呼びかけによって、依然記憶の混濁は残る状態ながら、一時的に正気に戻る。
アデューが此処に居る事と、シュテルがヒトの姿を取っているのに驚くガルデン。事情を聞いた彼は、友人と愛犬を業深い道に引き込んだ事を憂い、もう自分の事は良いからと復讐を止める様勧める。
しかしシュテルは頑として首を縦に振らず、逆に「全て片付けるまで生きて待っていて欲しい」と訴える。
シュテルにとってこの一連の事件は、自分の手で片をつけてこそ意味があるというのだ。
アデューもまた、事態は既に表の司法組織にだけ任せておける状況ではない、と判断した旨を伝える。
お互いの意志を伝え合った後、久々にゆっくりと時間を過ごす三人。何も無く平和だった頃に思いを馳せながら、貴重な夜を更かす。
……翌朝、シュテルとアデューはホテルを後にする。
シュテルは主人に磨いて貰ったドッグタグを胸に、全てを終えたら必ず彼のもとに戻る事を決意するのだった。
今回終盤で始末される「仇」は、パーティで禁止薬物の取引や人身売買を斡旋していたアドリア。
ガルデンを使って幻覚剤や媚薬の人体実験を繰り返していた彼女は、その結果秘密裏に完成させた非常に依存性の強い麻薬のレシピを、サルトビ&爆烈丸のウィルス「巴(ともえ)」によってネット上にばら撒かれてしまう。
その後、これ以上秘蔵の開発データを漏洩したくなければ……と呼び出されたホテルにて、シュテルに首を切られ窒息死。
しかしその場に現れたイドロによって、シュテルも撤退時に傷を負わされてしまう。


第五話―――蒼翠の断罪者
襲撃事件に関わった者とその所属組織に確実にダメージを与え、消してゆく「暗殺者」の正体に気付き、戦慄するイドロ。
しかし上司のリゲルは、非現実的だと取り合わない。彼はカオスティア製薬再建の事しか今は頭に無いのだった。
一方シュテルは、自らの正体を「仇」側に悟られた事から、騒ぎが飛び火する前にと協力者達の元を去る。
廃墟に身を潜め、思ったより深かった傷を癒しながら、そもそも何故「ロード製薬会長宅襲撃事件」が起きたのか、何故奴等は会長ではなくその令息を狙ったのか、等を推理していると、其処に一人の男が現れる―――――
数日後、シュテルの居場所を突き止めたイドロは、これ以上の損害が出る前にと彼を旧カオスティア製薬本社ビルに呼び出す。
罠と知りつつも、未だ主人の身柄がイドロ等の下にある事を考え、指定場所に出向くシュテル。灯りの入らないだだっ広い部屋にてイドロを待っていると、突然背後から銃撃される。
咄嗟に避けて後方を見ると、其処にはイドロに伴われてぼんやりと立つガルデンの姿が。
彼は嘗ての世話役であるイドロに、薬物と催眠で洗脳されてしまっていたのだった。
命令一つでシュテルを撃つ事も自分の頭を撃ち抜く事も厭わない操り人形と化した主の姿に、シュテルは「何処まで主を愚弄すれば気が済むのだ」と激怒する。
が、イドロは怯むどころか「幾ら傷つけ、貶めても気が済まない」と却って憎悪を剥き出しにし、ガルデンにシュテルを攻撃させる。
手が出せず、ひたすら攻撃を避け続けるシュテル。その内に傷が開き、動きが鈍った所で遂に部屋の隅に追い詰められる。
「今度避けたらガルデンを自殺させる」と脅され、絶体絶命のシュテル。
主が下僕に銃口を向け、命じられるまま引き金を引こうとしたその瞬間。
一発の銃声が響き、ガルデンは手の銃を弾き飛ばされる。
次の瞬間にはイドロが肩を撃たれ、彼女は苦痛と驚愕に引き攣った顔で弾丸の飛来した方向を見やる。
其処には硝煙たなびく銃を手にした「ロード製薬会長」……ガルデンの父にして一族の長が、返り血に白い頬を染め、ただ静かに立ち尽くしていた。


最終話―――白銀の終結者
突然の乱入者に茫然としていたイドロだったが、彼の返り血が下の階に待機させていた部下、ケルトとサルスのものである事を知ると激しく動揺し、再び憎悪を剥き出しにする。
「裏切り者」と会長を罵倒するイドロ。しかし会長は「先に裏切ったのはお前ではないか」と淡々と返す。
二人が言い争っている間にシュテルはガルデンを抱き寄せ、洗脳を解かんと必死に呼びかける。
催眠の深度が浅かった所為か、度重なる薬物の濫用で薬が効き難くなっていた所為か、下僕の願いが通じたのか、幸いにして洗脳を解かれ、何とか正気を取り戻すガルデン。
傷で、または薬で弱っている互いの体を気遣いながらも、二人は会長とイドロのやり取りを見守る。

「ロード製薬会長宅襲撃」を計画したのは、イドロだった。
ギメルにはゲーム感覚のスリルと報酬を、
ドアンには「一族」の血とデータを、
アドリアには使い減らない「実験体」と「接待用人形」を、
リゲルにはいずれカオスティア製薬を再建した際に使える「切り札」を。
それぞれが求めるものを「ロード製薬会長令息・ガルデン」という人物で提供する……それが表向きの襲撃目的だった。
が、イドロの内に秘められていた「真の目的」はもっと陰惨で、しかも極めて単純なものだった。

ロード製薬会長を苦しめる。

たったそれだけの為に、彼女は幾重にも会長令息を苛む罠を張り、実行していたのである。
数日前、身を潜めていた廃墟に訪れた会長から、彼が頻繁に息子の「近況写真」や「映像」を送りつけられていた事を聞いていたシュテルは、それらも全てイドロの仕業であると確信する。
「何故其処までして我が一族を恨む」と問う会長に、イドロは「お前が裏切ったからだ」と喚く。
イドロは元々カオスティアの子会社だった頃の、ロード製薬会長の秘書だった。
彼女は会長に尽くし、公私に渡って強力にバックアップした。
しかしそれは彼やロード製薬の為ではなく、あくまでその親会社であるカオスティア製薬、ひいては其処の重役にして愛人であるリゲルの為。
イドロはリゲルから、野心家のロード製薬会長を見張り、コントロールする密命を受けていたのである。
ロードがカオスティアから独立しようとしている事を知った時、彼女は必死で会長を思い止まらせようとした。が、それは聞き入れられなかった。
会長はイドロの掌に収まる様な人物ではなかったのだ。
それに気付いたイドロは会長の元を離れ、カオスティアに戻って妨害工作に着手したが時既に遅し。
結局ロード製薬はカオスティア製薬から独立し、まるで親の体を喰らって育つ蜘蛛の様に急成長していった。
その後カオスティアは倒産、任務に失敗したイドロはリゲルから愛想を尽かされ、何もかもを失う事になった………。

イドロにとって今回の事は、ロード製薬会長を苦しめると同時に、リゲルの歓心を再び買う為の、極めて単純な欲望に基くものだったのだ。
「しかしそれすらも台無しになった」と、イドロは絶望に濡れた声で会長やガルデン、シュテルを見やる。
ロード製薬会長を揺さ振りながら新たに発足するカオスティア製薬……その主要ポストに就き、専門分野でエキスパートとなるギメル、ドアン、アドリア、イドロ……そしてその頂点に立つリゲル。
綿密に描き、成就する筈だった野望。
それが、たった一匹の犬の為に目茶目茶になるなんて。
恨み言を呟きながら、身を翻すイドロ。追おうとしたその時、満身創痍のケルトとサルスが現れ攻撃を仕掛けてくる。
彼等の始末を会長に任せ、シュテルとガルデンはイドロを追う。
やがて辿り着くビルの最上階の大フロア。他の階とは違い、其処には多くの書類やディスクが雑多に積み上げられていた。
それはロード製薬発足以来の汚泥に塗れた彼女の歴史と、この数ヶ月に渡る会長達への呪詛。そして彼女の何もかもを破壊する、漆黒の復讐者の行動記録。
イドロは此処で全ての決着を付けようと、シュテルらに挑んでくる。
自ら覚醒剤を服用し、疲労と痛みを忘れて幾ら傷付いても立ち上がってくるイドロ。その最中シュテルは彼女の攻撃からガルデンを庇い、目を傷付けてしまう。
視界を奪われ、ピンチに陥るシュテル。物が多く距離感を掴み難い部屋の中で、闇に潜んだイドロに狙撃されそうになった正にその瞬間。
「Platz!(伏せ!)」
ガルデンの鋭い声に、反射的に身を伏せるシュテル。間一髪、空を貫く弾丸。
ガルデンはシュテルの目となり、彼が一匹の番犬だった頃と同じ様に、極めて短く的確な命令を出してゆく。
「Sitz bleib!…Marsch!!(座って待て!…進め!!)」
シュテルはガルデンの声に視覚を委ね、聴覚と嗅覚、触覚に全神経を集中させる。
次第に追い詰められるイドロ。彼女は命令を出すガルデンを狙うが、それも駆けつけた会長によって阻まれる。
「クラッカーとウォルサム家の当主によって、お前達の違法行為は全て白日の下に晒された。リゲルはカオスティアの名を汚した事を今更に恥じて、自害した。
 貴様の妄執と計画は全て潰えたのだ。……終わりだ、イドロ」
会長の宣言に逆上したイドロは、せめてシュテルだけでもと突っ込んでくる。
シュテルもまた、イドロだけはこの手でと彼女に向かう。
ガルデンはシュテルを止めようとするが思い止まり、最後のコマンドを出す。
「Feuer!(撃て!)」
部屋に響く二つの銃声。
二人は互いの心臓の位置をそれぞれ捉えていたが、イドロの放った弾丸はシュテルが胸に大事に入れていたドッグタグに阻まれ、致命傷にはならなかった。
遂に倒れるイドロ。銃撃戦の余波か最後の怨念か、出火し瞬く間に炎の海になる部屋の中で、彼女は事切れる。
リゲルへの思慕と会長への憎しみ故に復讐に身をやつしたイドロ……
相通ずるものがある筈の彼女に、しかしシュテルは憐れみを覚える事は無かった。





その後―――――
長い間行方不明になっていたロード製薬会長令息の生還と、相次いで発覚した元カオスティア製薬社員の犯罪行為にメディアは沸いたが、会長令息が「何も覚えていない」とだけコメントを発表した事と、主要な容疑者が全員死亡しているという事もあってか、事件は徐々に風化し忘れられていった。
更に数年後、会長はガルデンの体の回復を待ってその地位を譲り、相談役に降格。新会長となったガルデンは新たに「ルーングループ」を発足、医療だけに留まらず様々な分野に手を広げた。
運輸業最大手のウォルサム家との提携や、新鋭メーカー「百道(ももち)」とのソフト開発競争など、常に話題と活気を振りまく状況を作り出す新会長の傍には、常に黒い犬の姿があったというが―――――
真相はすべて闇の中である。




元は病院の方の掲示板でゆうきみあぐ様に語っていたお話。(何て迷惑な)
お約束に満ちた急な展開の端々にみなぎる投げやりっぷりを楽しんで頂きたく思います。(プロデューサーのコメント)

―――――

と言うか「薬に体を侵され余命幾許も無いガルデンと、現世に居られる時間の限界が迫ってきたシュテルが、事件収拾後、人知れず手に手を取り合って何処かに去る」みたいなエンディングを考えていたのですが、それはいまいちハッピーで無いので止めました。
良いやん、もうハッピーでアレな判り易いVシネ的エンド(続編も作れるエンド)で。
会長はTV27話のガルデン(菱沼ガルデンの中でも一番老けて力が漲って見えるガルデン)。漫画ガルデンでも良いですが。

―――――

衛星第2でやっていた映画「ブーメランのように」のアラン・ドロンが私的漫画ガルデンのイメージにピッタリでビックリ。



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