GARTERGUNS’雑記帳

TALK-G【MAILHOME

大家族大四畳半大物語
2003年11月10日(月)

<登場人物紹介>
漫画版ガルデン……父親。
「聖騎士の約束」版ガルデン……母親。
36話辺りまでのTV版ガルデン……四男。生意気盛り。
36話以降、特に51話等の終盤辺りのTV版ガルデン……三男。目がきらきらしている。
ラジオ版ガルデン……次男。やさぐれている。
「温泉ダンジョンの決闘」版ガルデン……五男。末っ子。五歳くらい。(外見が)
特典CD2巻版ガルデン……長男。父親と対立して家を飛び出して以来帰ってきていない。



「今帰ったぞ貴様ら!!長の帰りを出迎えるが良い!!」
「ああ」
「フン、騒がしい奴だ」
「今日は早かったのだな」
(一人で壁に凭れて虚空を見ている)
「土産は無いのかー?」
「ククク、土産だと?それよりも先に言う事があろう?」
「……食事か?風呂か?」
「飯だ!酒も熱燗にしてつけてくれ」
「……よくそんな所にまで気が回せるな。見事だ」
伊達に長生きはしていないさ……
「私も腹が減ったぞ!」
「ああ、すぐに支度をするから。
 ……お前は?食事はどうする?」

「俺は要らん」
「お前、昨日も食べていなかっただろう。
 それでは体を壊すぞ」

フン、同情しているつもりか
「何だと貴様!!!」
「止めんか!!
 ……お前、ちょっと支度を手伝ってくれるか」

まかせておけ!!

―――――ガラガラガラッ(引き戸)

「客か?こんな夕飯時に……、……!」
「今帰った」
「………貴様は」
「フッ、随分と老けたな」
「半熟半ベソ半死半生で家を出て行ったガキが、今更何をしに帰って来た」
「生まれ変わった私を、貴様に見せに戻ってきたのだ。
 弟共や母親が心配でもあったしな」

「生まれ変わった?
 貴様も三男の様にホワイトドラゴンの自己啓発セミナーでも受けてきたのか?」

「そんなもん受けた所で、三年くらい経ってから次男の様な変な壊れ方をするのがオチだろうが」
「ホワイトドラゴンはとても素晴らしい竜なのに……
 今度、実際にセミナーを受けてみると良い。みんなも一緒に

「……俺は自分が一体誰なのか判らなくなった時に、話を聞きに行っただけだ……」
「……昔、この家を出た時は、私は確かに非力なガキだった……。
 だが、今は違う。
 社会的地位も手に入れ、自分で自分を養えるまでに成長した」


懐から名刺を取り出し、父親の目の前に叩きつける長男。

「……『アースティアTV・製作部長』……」
「それが現在の私の肩書だ」
「製作部長、というのは偉いのか?」
「ああ。番組の制作費を握ったり、気に入らん部下を無人島に左遷したり出来るくらいにはな」
「しかし、普通そういうのは、総務部の経理課や監査部の役目ではないのか?」
「……大怪獣シュテルのフィギュアをやるから黙っていろ
「わーい」

と、長男の名刺をちゃぶ台の上に放る父親。

「……フン、この程度で『自分を養える様になった』とは片腹痛い」

皮肉っぽく言う父親に、睨む視線を強める長男。
そんな長男に、父親は小さく笑う。

「……だが、まあ、良かろう。
 おい、もう一本酒をつけてくれ」

「ああ、判った」
「……!!」
「何を驚いている?
 私はこの家の長だ。たとえ出て行った者であろうと、この家の者が成功を収めたのならば、それを喜んでやるくらいはするさ」

「お祝いか?」
「……ああ、そうだ。
 寿司だ!寿司を取れ!」

「ククク、良かろう。この私が直々に注文してやる。
 ……お前も食うだろう?」

「仕方あるまい」
「言っておくが、余り高いものは注文するなよ。我が家の財政は逼迫している」
か、母さん……

呆気に取られていた長男だったが、やがて表情を微かに緩めると、父親と差し向かいに腰を下ろす。

「おい、もっと高い酒を持って来い!」
「フッ、お前が酒の話をする様になるとはな……」
「生意気なヤツめ」
「久し振りに一家が揃ったのだし、このまま何処かに繰り出すか?ふふ、面白いショウが見られそうだな」
「イーズ温泉などどうだ?」
「私の生まれた国を見てみたい……」
「何処まで行く気だ」


―――――

これは文章でやるべきネタではなかったかも知れません。



BACK   NEXT
目次ページ