今日も10月26日放映のNHKサキどり↑から・・・大分県の介護現場では、病院を中心とした介護チームに町の歯医者が参加。“お口のリハビリ”で高齢者の生活の質が向上しているという。さあ、みんなで「お口の健康」を考えよう!★大分発 大活躍!歯医者さん 高齢者の食べる力を取り戻せ!★大分県大分市にある病院。定期的に開かれている、患者のリハビリ方針を検討する会議にお邪魔したところ、医師に看護師、リハビリ専門のスタッフの中で見つけたのは・・・町の歯医者さん。そう、この病院のリハビリチームには、町の歯科医師が参加するという、全国でも珍しい体制が取られているんです。メンバーの歯科医師、山原幹正さん。お口のリハビリから、患者の生活の質を向上させたいと考えています。「我々は口の専門家として、患者さんが口から食べられるよう支援する。それが目標です。」ん?食べられるよう支援するって?そもそも、「食べる」って口の中で何が起きているのか、知ってますか?まず大切なのが「咀嚼」。唇、歯、顎、舌を使い、食べ物を噛みちぎったり、押し潰したりします。さらに唾液と混ぜ合わせながら、飲み込みやすい適当な大きさにするのが咀嚼。次に「飲み込み」。舌の先を上の歯の裏につけて密閉状態にして、舌の動きで、食べ物を喉の奥へ送り届けています。この複雑な口の中の動きを、歯科医師と病院のリハビリスタッフが連携し、機能を回復させようと取り組んでいます。たとえば口腔癌により左アゴを損失した女性。右側を活かして部分入れ歯を作成。左側の前歯も作り、見た目も整えました。すると、今まで上を向きながらの丸飲みが基本だった食事が、3か月でせんべいが食べられるまでに回復しました。リハビリの現場に歯科医師が入ることで、次々と成果が現れています。64歳の女性は、3年前に脳出血で倒れ、その後、言葉も発せない寝たきりの状態に。口から食事が出来なくなり、次第に舌の機能が低下。衰えた舌が喉の奥まで落ち込み、一時は窒息の危険にも見舞われました。そこで山原さんは、舌を刺激するために上アゴの一部に突起物を付けた入れ歯を作成。これを使うと突起物が気になり、自然と舌を動かす癖が付き、食べ物を喉に送り出す舌の機能が回復するというのです。リハビリを続けて5か月・・・。今までで動かなかった舌が、少しずつ動くように!簡単な挨拶なら声で出せるようになりました。町の歯科医師として、25年のキャリアを持つ山原さん。診療の合間を縫って市内の病院や介護施設を訪問するようになったのは、つい3年ほど前。きっかけは、高齢者医療に取り組む先輩の一言でした。「歯の専門家はいるが、"口の専門家"は、いない」それは山原さんに歯科医師としての生き方を問う言葉でした。「歯医者が取り組んできたのは噛むことだけ、というふうに感じたわけです。さすがに知らないことがたくさんあったなというのが現実で。」人間の口の機能とは何か。山原さんは一から勉強し直しました。「噛む」とは、「飲み込む」とは、「しゃべる」とは、どういう事なのか。★チームで取り組む"口のリハビリ" 生きる喜びは食べる力で取り戻せる★山原さんは、歯科医師の仲間にも声をかけ、自分たちの果たす役割を問い続けました。その熱意に今、町の歯科医師たち10数名がリハビリの現場に立つようになったのです。さらに、歯科医師との連携によって、病院側も口腔ケアの重要性を再認識。お口のリハビリに積極的に取り組むようになりました。『口を動かす機能が回復すれば、自分の口で食事を取れるようになり、それが生きる力となる。』リハビリ現場で歯科医師の果たす役割に、大きな注目が集まっています。