TOM's Diary
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2006年02月23日(木) |
【一部修正】ホリエモン流粉飾決算の仕方 |
裏が取れていない部分があったので「草稿」として保存したつもりだったのですが、アップされてしまっていました。ボタン押し間違えたかな。 もろもろ確認しましたので、一部修正追記します。
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企業には株主に対して決算の内容を報告する義務がある。 これが、毎期ごとに発表される、有価証券報告書であったり、財務諸表などの開示情報である。
これらには、主に次のことが書かれている。 その期における、売上高、営業利益、経常利益、純利益、株主への配当額、次の期の業績予想などの概要があり、また、収支を示した損益計算書、資産状況を示した貸借対照表、金の流れをしめしたキャッシュフロー計算書などがきさいされている。ホリエモンの会社のものはEDINETで、EDINETコード941349を見れば詳細を見ることが出来る。たとえば、2005年12月27日には平成17年9月期の有価証券報告書が開示されている。
この有価証券報告書に記載されている、売上高とは、企業が本業によって得た収入のことである。言い換えれば、物やサービスを提供したことによる対価の総額である。 物やサービスを提供するには、物やサービスを作ったり、仕入れたりするためのお金が必要である。またそのための人件費もかかる。これが売上原価である。さらに物やサービスは黙っていては売れない。販売活動を行って顧客を獲得したり、客のニーズに応じて在庫調整するための管理費用などがかかる。これを販管費(販売費用および一般管理費)と言う。売上高から、この売上原価や販管費を差し引いた残りが営業利益になる。
しかし、企業活動においては本業以外で収益を上げることがある。たとえば預貯金があれば、利息が付くし株式などの有価証券の売却益や、資産の運用益などもある。あるいは、利息の支払いや為替差損など営業外でかかる費用もある。これを営業外収益、営業外費用と言う。この営業外の損益と営業利益を足し合わせたものが経常利益となる。
つまり、本業で赤字であっても利息や運用益などで黒字になることもあるし、本業は好調なのに運用損をだしたばかりに会社が傾いてしまうこともある。あんなにお客さんが入っているお店がある日突然つぶれてしまったなんてことがあったら、営業外の収益がどうなっているかを見てみると面白いことが判るかもしれない。
そのほか特別損益、税金などを差し引いたものが当期純利益となり、さらに前期からの繰越利益を合わせたものが当期未処分利益となる。 この中から株主への配当などが行われるのである(ちなみにホリエモンの会社では平成17年度の株主配当は行われていないので、利益処分計算書には記載されていない)。
では、ホリエモンはどのように粉飾決算を行ったのか。 ひとつは、営業利益を上げるために架空の取引をでっちあげ、売り上げを多く見せている。これは一般的な手法である(もちろん一般的にやられているという意味ではない、一般的に知られていると言う意味である)。 また、本業以外での収益を売上高に入れてしまったことである。それを隠すために、投資事業組合を通すことによって、金の流れを不透明に、すなわち資金洗浄(マネーロンダリング)をし、本業で得た売り上げのように見せかけることまで行っている。具体的に言うと自己株式の売却益、これは本来資本として扱うべきものであるにも関わらず、売り上げとして計上したのである。判りやすく言えば、株券と言う紙の形で持っていた資産をお金と言う形に変えただけなのに、あたかも売上げがあったかのように見せかけたわけである。
なお、投資事業組合と言うのは特別の場合を除いて金の流れなどを公にする義務がない。よって、ここを通った金の流れを追う事は難しいことをホリエモンの会社は利用したわけである。
普通、粉飾決算と言うのは、倒産寸前の会社が資金調達をしやすくために、わざと黒字経営しているように見せるために行う。判りやすく言えば倒産寸前の会社に金を貸してくれる人はいないので、倒産なんてしないですよとうそをつくための粉飾決算である。 ホリエモンの会社は赤字であっても資金はたくさんあった。つまり資金繰りなどの心配は不要だった。むしろ赤字をわざわざ黒字にすることは余計な税金を払わなければならないなど、得することなどない。
しかし、時価総額を維持することに固執したことが粉飾決算につながったのだと思われる。時価総額などにこだわらず、実力で勝負を挑んでいれば、まだまだ成長できた会社だと思うのだが、残念なことである。
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