TOM's Diary
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スペースシャトルの打ち上げ再開がうまく行ったことは喜ばしいことだが どうやら外部燃料タンクの断熱材の剥離問題で次回以降の打ち上げが延期 されることになったようだ。
思えば、スペースシャトルの最初の打ち上げの際、機体上面のタイルが 剥がれていたことを思い出す。 垂直尾翼の両側にある姿勢制御用エンジンが入ったふくらみの部分の 断熱タイルが数枚剥がれていた。白い部分であり(大気圏再突入時に もっとも温度が上がる部分にはグレーのタイル(シャトルの先端に使わ れている)、次に温度が上がる部分には黒いタイル、あまり温度の上がら ない部分は白いタイルが使われている)、あまり影響はないだろうとは 思うものの、子供ながらに「ほんとに大丈夫なのだろうか?」と心配に なったものだ。
考えてみれば20年以上前のことである。 あれから100回以上の打ち上げが行われ、113回目までタイルの 剥がれがなかったとは思えない。きっと毎回なんらかの形でタイルの 剥がれはあったに違いない。そして113回目にたまたま大きな事故に 繋がってしまった。そこで安全対策ということになるのだが、少し大げ さな気がする。もっとシンプルに考えたらどうかと思う。
今回いろんな対策が施されたようだが、外部燃料タンクの断熱材が 剥がれてシャトル本体の断熱タイルを傷つけるのが問題だから、 断熱材が剥がれないようにしたようだが、断熱材が剥がれても 大丈夫にすればいいんじゃないだろうか? 例えば、外部燃料タンクの側、シャトルの底面の部分にカバーを 1枚つけるだけで、飛躍的に安全性が上がると思う。 重量増によるペイロードの積載量は減るだろうし、空気力学的に 問題も出てくるかもしれない。しかし、ペイロードは安全と引き換えと 諦めるくらいの勇気があってもいいだろうし、空気力学的な問題で 言えば、宇宙に出たらカバーは捨ててしまえばよい。 大気圏に再突入させて燃えきってしまうようなものにするか、折りたたん でペイロードに積んで帰って来るか、私なら後者を勧めるが、いずれに してもいま取られている対策よりははるかに簡単で効果があると思う。
だいたい、外部燃料タンクの断熱材を剥がれなくすることなんて 無理だろう。できても剥がれにくくする程度だと思う。
クルマでさえ10年も乗ればだれもがそろそろ買い換えを考えるだろう。 もっと過酷な条件で使われるシャトルなのだから、もう今更大きな お金をかけて改良するのは無駄じゃないだろうか? とにかく、多少シャトルの性能が落ちても簡単な対策で済ませておいて もっと安全な新型の宇宙船を開発する方がよいと思う。
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