TOM's Diary
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2005年05月17日(火) 新聞記事と対話

とある新聞社の記事(ネット配信された記事)には小泉首相の発言をこのように書いていた。

「東条英機のA級戦犯の話が出るが、「罪を憎んで人を憎まず」は中国の言葉。
何ら問題があるとは思っていない。」

しかし、昨夜テレビではこのように言っていた。

「東条英機のA級戦犯の話が出るが、「罪を憎んで人を憎まず」は中国の言葉。
特定の個人のために参拝しているのではなく、多くの戦没者に対する追悼の
ために参拝している。
何ら問題があるとは思っていない。」

正確ではないが、このような内容であった。

間に一文あるかないかの違いだが、私が中国との関係を意識して記事を書くなら、絶対にとある新聞社のような書き方はしない。
この記事だけを読んだ中国人はきっと嫌な気分になるだろう。
第一、首相が言いたいことがまったく伝わっていない。

どうせ一部を省略するならば、孔子の言葉を引用した部分だろう。
首相はそんなことを言いたいわけではなかったはずだ。
多少感情的になって、中国が批判していることを持ち出し参拝に反対している「日本の国会議員に対する嫌味」が出たにすぎないと思われる。
それよりも首相としては、戦犯を追悼しているのではない、戦没者に対する追悼をしに行くのであり、戦争を繰り返さないことを誓いに行くのであるということを言いたかったはずだ。

そもそも日本のマスコミには、日本を守ろうという気があるのだろうか?
事実をありのままに報道するのがマスコミの基本ではないのか?
首相発言の一部を外国との関係を悪くしかねないように恣意的に抜取って、報道しているように取られかねないやり方は問題があると思う。
もちろん、首相の発言に大きな問題があれば、ありのままに伝えた上でそれを批判するなりするのは構わないと思う。
が、上記のような報道の仕方は非常に腹立たしい。犯罪行為に近いものを感じる。万が一、マスコミの間違った報道が原因で犯罪や戦争がおこったらだれが責任を取るのか?首相?いや、私ならマスコミに責任を持ってもらいたいと思う。
言論の自由と言うが自由を得るには責任を持った行動を伴なわねばならないことを、肝に銘じて欲しい。

ところで、そうは言ってもやはり中国などを意識してか終戦記念日には参拝しない小泉首相。
うまくやっているようにも思えるが、どうだろうか?

個人的な考えを少しだけ書いておく。
戦没者たちはこの件をどう思っているのだろう。
おそらくは、国にだまされるようにして戦場へ連れて行かれ、殺されたのだから、責任者である首相が参拝に来るのは当然だと思っているに違いない。

だが、首相が来ることでアジア諸国との関係が悪化し、戦争につながりかねないという事であれば参拝をしなくても勘弁してもらえるのではないだろうか?さすがに戦没者たちもこれ以上の戦争による被害者が増えることは望んでいないに違いない。
いや、そう言った問題を解決したうえで参拝に来てもらうのが戦没者たちがもっとも望んでいることではないだろうか?

昨夜の小泉首相の発言にもあったように「「これ以上戦争を起こしません」と戦没者たちに誓いに行くことが参拝の目的である」と言う事を、もっと公の場で繰り返す必要があるのではなかろうかと思う。

歴史認識の違いなど様々な要因があるだろうが、少なくともどんな問題であっても対話がなければ解決策など見出せるはずがない。

追記:
などと書いたが、一部の国はどんなに合理的な理由を説いたところで納得をする努力をしてもらえないと思う。とりあえずそれらの国はおいておくとして大多数の理性的な国に納得してもらっておく必要はあるだろう。
いずれにしても、国際的な常識としても、戦没者の方々の気持ちとしても(すでに亡くなっているのだが)、一部の国の反対を理由に首相の参拝を取りやめる必要性はまったく感じられない。


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