TOM's Diary
DiaryINDEX|前日のDiary|翌日のDiary
2004年06月19日(土) |
S氏シリーズ「天国へのハシゴ」その4 |
(6月18日の続き)
雨の中をどのくらい登りつづけただろう? ようやく上空が明るくなり始めた。 どうやら雷雲の上面に近づいてきたようだ。 いつのまにか雨脚も弱くなっていた。
深呼吸をして落ち着いてハシゴを登る。 ふいに綺麗な虹が目に入った。 その途端、雲の上にでた。 そよ風が気持ちよい。 雷鳴もはるか遠くに聞こえる。 まだお昼前だと言うのに空は紺色になっていた。 だいぶ空に近づいたようだ。
あと一息。 気がつくと身体が軽くなっていた。 手を離すと身体が浮いた。 ついに宇宙に出たのだ。 ハシゴを蹴った。 もう、なにもしなくても空に向かって一直線に上がっていける。
(6月20日へ続く)
|