TOM's Diary
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2004年06月18日(金) S氏シリーズ「天国へのハシゴ」その3

6月17日の続き)

早朝の気持ちの良い風が髪をなびかせる。
ハシゴはまだまだ続いている。一段一段登りつづける。

遠方に黒いものが見えてきた。
雷雲だろうか?
急速に近づいてくる。
隠れる場所はない。
上に逃れようと必死にハシゴを登りつづける。
が、雲はどんどん近づいてくる。

逃げ切れない。
ついに雲に囲まれた。
静電気でハシゴがピリピリとする。

登り始めて数日、初めての雨が降り始めた。
大粒の雨がハシゴを登る手や足を容赦なく濡らし始める。
背後からは強烈な稲光と、激しい雷鳴が襲いくる。
滑りやすくなったハシゴと嵐のような強風の影響で登る速度が落ちてしまう。
だが、雷雲から逃れるために必死でハシゴを登る。

恐怖は感じなかった。
空に上ることしか考えなかった。
濡れたシャツが身体にまとわりつくのが気になった。
しかし、もくもくとハシゴを登りつづけた。

6月19日へ続く)


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