TOM's Diary
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2004年02月18日(水)

メール着信のポップアップ画面が不意に現れ、集中力が途切れてしまう。
機械のシミュレーションをしようと細かい数字の列をにらんでいたのだが、さすがのS氏もそろそろ集中力も限界に達していた頃だった。できることなら数値シミュレーションはすべてプログラムに任せてしまいたいところだ。だが、特注要素の多いこの物件に合わせてプログラムを変更するにはお金がかかりすぎてしまう、。そのためどうしても手作業となってしまう。


S氏はその仕事を中断し、メーラーに切り替える。
メールを読みながら、ふと触れた耳たぶに、小さなくぼみがあることに気がつく。
正確に言うと、耳たぶの一部に周りより特にやわらかいところがあって、窪んでいるように感じる。

なんだろうといぢっているうちに、人差し指がすっぽりとはいる。
指先になにかが触れている。
そのなにかに指が届きそうなのだが、届かない。
指を押し込むとその分逃げるようにしてしっかりと触ることができない。
夢中になってその何かが何物なのかを確認しようとしているうちに気がつくと手がすっぽりとそのくぼみに入っていることに気がついた。幸い周りにいる同僚たちは私の格好に気がついていない。最初は恐る恐るだったが、だんだん大胆になってくる。どんどん奥へと手から腕、そして肩までくぼみへと入れていく。
気がつくと身体の半分がくぼみに埋もれている。さらに奥へと進んでいく。
周囲の同僚の目などすっかり忘れて無我夢中である。

身体の大部分がくぼみに入り、両手でその何かを掴もうとしたその瞬間、上司の声で我に返った。「お、おい、S君、背広を裏返しにして何やってるんだ?」


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