Leaflets of the Rikyu Rat
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2005年09月30日(金) |
バイト最終日 無礼講 |
目が覚めれば昼。この日は目が覚めるのが遅ければ遅いほど良かった。午後三時半起床。 いい感じだった。地下鉄に乗り梅田まで行き、紀伊國屋で少し立ち読み。 奥田英朗「ララピポ」が少々気になるも村上春樹の「東京奇譚集」が買って以来全く進んでいなかったことを思い出し帰宅。 風呂に入りすぐに家を出て、飯を食って再び梅田へ向かえばあっという間に夜の九時。 最後のバイト開始である。「今日は無礼講やでー」とマスターは言った。
この日はそれ程客も多くなく、普段であったら二日酔いに苦しむこともなく難なくこなせただろう。しかしこの日は最後のバイトの日。 飲め飲め言われると自分のペースが掴めないため一気にアルコールが入りしんどい。 でも最後なんだ、ありがとう、と思い飲みまくった。 常連である三人組のお客さんからは大きな花束を戴いた。すごく綺麗で嬉しかった。 いろんなお店のママさんが来てくださり、有り難い限りであった。
一番驚いたのは、暫く会っていなかった彼が来たことであった。 今の彼に振られて、再び付き合いだすまでの間にほとんどの期間一緒に過ごし、随分仲良くしていた彼だ。 会うのは二ヵ月ぶりであったし、最後にメールをしてからも一ヶ月ほど経っていた。 僕は彼に今日が最後のバイトだなどとは言ってなかったし、 また、彼は僕に会いたくなさそうにしていたはずだった。 たまたま久しぶりに飲みに出たら、今日が最後だって他所で聞いたから。と彼は言った。 何だかとても懐かしく、嬉しくなった。 相変わらず僕のタイプの顔だなあ、などと思いながら接客。非常に楽しい時間を過ごした。 しかし信じられないことに、彼は僕の名前を忘れていた。或る意味すごいことだと思う。 それはしてはいけないことなのでは・・・たとえ携帯に二件すら登録していないにせよ、一ヶ月間ほぼ一緒に過ごした人間のことを忘れるだろうか。 (しかもそれはつい先々月のことである。)
「えっと、なんて名前だったっけ」 時間が経てば経つほとこの台詞は僕に悲しみを齎す。 その時は特にとりたてて傷つきもしなかった。 僕も酒で神経が鈍っていたのだろう。
それでもなんとなく僕の中ですっと熱が下がった。 ああ、彼にとって自分はその程度だったんだなあと分かったからである。 僕は彼の僕に対する想いを美化しすぎていたのかもしれない。 まあ無礼講無礼講、と思い、彼との会話を懐かしみ、楽しんだ。 朝七時半、最後の客がいなくなり、バイト終了。 最初で最後の贅沢だ、とタクシーに乗り込み、家へ帰り、ぐっすりと眠った。
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