Leaflets of the Rikyu Rat
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2005年09月29日(木) |
やれやれ脱げ脱げ 阪神タイガース優勝 |
朝。眠りすぎたのちにある気だるさを感じつつ、特に目的も無く梅田まで向かうことに した。阪急梅田駅内紀伊國屋にて現代詩手帖10月号を立ち読み。非常に面白かった。ま だ満足に読めていないので大学内の図書館に並んだらゆっくり読んでみようと思う。一 時間ほどうろちょろとして伊藤比呂美の『伊藤比呂美詩集』を購入。いつだったか読ん だ「いやさかさかさかさのさのさ」が頭に残っており、「カノコ殺し」を店頭で読み購入 を決定。伊藤比呂美は増殖する。強い。女性である。携帯が鳴り友人から「暇?」とだ け書かれたメール。梅田にいる旨を送り、待つことになった。 気付けばあっという間にお昼過ぎ。マクドナルドにてハンバーガーを食す。食べながら 詩集をめくっていたら、目の前の二人組の会話が耳に入り思わず聞き込んだ。「俺思うね んけどな、ぜってー多浪の方がいいって」「ぜってー多浪のが面白い奴多い」「挫折経験 してるしね」「ノリえーし」などと多浪の意義と相互肯定とについて白熱した議論を交わ していた。二人とも三浪らしい。「やっぱ東大が一番やけどな」なんて言いながら、でも、 と僕が通っている大学名を挙げそれを褒め称え幻想を抱いていた。いや、そんな、医学 部(歯学部薬学部は良く分からない)でも無い限り三浪もする価値無いですよ、授業ほ とんど聞いてらんないくらい詰まらんですよ、そこの学生な僕ですが今マクドナルドで ハンバーガーとか食ってますよ、(←?)などと思いつつ二人を眺めていたら、梅田に着 いたとの連絡を受け席を立った。
その人は就職が決まった大学院二年生の先輩(ゲイ)で、スーツ用のシャツを買いた いとのことだったので金魚のフンのようにひっつきながらJR構内のGAREを練り歩き、 大丸へ入った。BURBERRY、Paul Smith、TAKEO KIKUCHIと周りcommecadumodeで結局 落ち着いた。連れまわしてしまったからとカフェでケーキとイタリアンソーダ(クラ ンベリー味)を奢って貰う。うまかった。酒が飲みたくなってきたと言うので近くの 居酒屋へ。ぐいぐいと飲んでいたら阪神優勝で、これから頼んだ酒は半額になると の由。とりあえず更に三杯ほど飲んだ。友達に道頓堀に行こうと誘われていて遅れて行 くと返事していたものの、もう解散しそうな雰囲気だとのことなのを必死でとめ、居酒 屋を出て独り難波へと向かう。地下鉄内では二年前の優勝時も道頓堀へ行ったことを思 い出した。
難波ハッチ前で合流。人数は自分を含めて五名。全員ゲイで全員面識あり。独りは終 電前に帰るとのことで、見送りに行った。僕のせいで他の三人は朝まで居てくれる覚悟ら しい。ありがたかった。
道頓堀に行けばすごい人だかり。しかし戎橋の前は警官が二列に並び厳重に整備。まっ たく入れそうに無かった。代わりに「道頓堀」とネオンで書かれた電柱(看板)に上る ひとは現れた。有刺鉄線をものともせず上る。きっと手は怪我しているだろう。それで も構わず上る勇者あり。警官がスピーカーで何かを注意しているが、何を言っているか 全く聞こえない。「やれ!やれ!」と声をあげるひとびと。六甲おろしのメロディ。リズ ムに乗って踊る電柱の上のひと。「脱げ脱げ」と男も女もみんなで囃し立てる。脱げば猥 褻物陳列罪で逮捕される。それを観て楽しみたいのだろう。次々とひとはのぼる。酔っ てノリが極端に良くなった若者が、何名か裸でのぼっていた。外国人もいた。気付けば 午前二時。警官の列はじりじりと前ににじり寄り、テリトリーを広げる。しかし何を言 っても無言である。どことなく顔は疲れている。戎橋に入れないと知り「こんなんに税 金払わんぞオラァ」とキレている者も数名見受けられた。完全に警官は悪者であった。 何も物言わぬ警官の列の前で写真撮影する者もちらほらと出て来た。アホっぽいという か我ながらアホだなあと思うけど自分も撮って貰った。思い切りピースして。友人の携 帯の中に入ってるだろう。要は祭りだった。
ラーメンを食いに出かけ、戻ってきたら三時十分。どこへ行ったのか警官は戎橋を解放 していた。まだ開放したばかりらしい、ほとんどひとがおらず、早速僕等は橋の上へ。 すぐさま橋の上は超満員に。そして三メートルの壁などやすやすと乗り越え、次々と若 者はダイブしていった。「逃げろ逃げろ」と野次。捕まって「あー」とため息。次は誰だ と期待。誰かが飛び込むために「アホやアホや」と皆して大喜び。
喧騒は朝まで続き、五時二十三分の始発に乗って彼の独り暮らしの部屋へと向かって帰る。 熊が寝ているベッドへ忍び込み一緒に眠った。
連続更新:その1、その2
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