Leaflets of the Rikyu Rat
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2005年05月15日(日) 1時間04分58秒の決意


 そろそろかなあと思っていたけれど今日
 彼からの電話があった。
 電話はメールと違い記録として残らないため、時間とともに記憶が色褪せ少し淋しい。
 まあ、とにかく彼から電話があった。
 僕の日記を読んで電話をしたみたいだから、
 「予想通り」とかっていう感じでは無さそうだけど。
 ちなみに僕の日記を読んでボコボコにけなされてると凹んだらしい。
 こんなにも愛情に溢れた叩き方をしてたのになあと電話の前でひとりで笑った。

 結局彼にはどうしても「譲れないもの」があり、
 それを「譲って欲しい」と願っていた自分とはどうすることもできなかったのだろう。
 僕が譲らなければ彼も譲らず、
 僕が譲っても彼が譲らないのであれば意味が無かった。
 僕が譲れるものは「僕の将来」。
 もし彼と一生一緒にいられるのだという保証があるならば
 僕は躊躇うことなく彼に一生ついて行った。
 彼の譲れないものは「彼の家族」。
 僕はその一員になりたかった。
 東京に就職することなど即座に取りやめ大阪で一生を終えても良かった。当然のように。
 しかし実際そのような保証は成立しなかった。
 彼は責任を負えないと言ったのだ。
 それは少し我侭だと思いますよ、お兄さん。(←私信。この日記読んでまたボコボコにされれ。笑)
 であるならば僕は可能性のある未来に向かって生きるしか無かったのだと思う。

 お互い言葉に出して言わなければ通じ合わないことはある。
 言葉に出したがためにすれ違ってしまうこともある。
 それでも僕はいつでもいくらでも君と「対話」したかったんだよ。

 お互い理解しているようでしてなかったこと。
 理解していないようでやっぱり理解していたこと。

 「本当の僕」は僕自身が考える僕のみにあらず彼からみた僕でもあり
 その数はひとの数だけ存在するんだろうなあと思う。
 僕は彼の「ほんとう」を僕のなかに見出していた。
 それは彼からすればうそっぱちなのかもしれない。
 けど僕にとってはそれが彼だった。
 僕は僕の中にいる彼以外の彼を知らない。
 そしてその彼を好きになった。
 時間を共有することでより一層彼を知り
 その時間の分だけ彼から遠ざかったのかもしれない。

 ありきたりで当たり前かもしれないけれど、
 今日の「対話」の中でとてもよく理解したことがひとつ。

 “彼にとって僕は元彼であり友達である。”

 話せば話すほど
 あー 自分はもう 「そういう意味」では過去のひとなんだなあ と 感じた。

 ずっと
 
 待っていたのかもしれない。
 踏ん切りを付ける機会を。
 彼と別れてから一ヶ月が過ぎようとしているけれど
 ただひとりで悶々としていた。
 




 電話を切れば画面では1時間04分58秒という数字が自己主張していた。
 
 さーて、次の恋人を探しますかあ。




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