2002年09月20日(金) |
そして、今月の田中芳樹作品&神林ラーゼフォン |
ノビノビになっていた神林長平氏の手によるノベライズ『ラーゼフォン』がついに発刊。 『時間調律師』の副題がついており、アニメ版とは予想通りに設定が違う。帯に『コラボレーション・ノベル』と掲げられているが、「これがコラボレーションなのだ!!」と規定する作品になるのだろうか。解ったような解らないような気も・・ にしても、予定表では上巻だったはずだが、どうも一巻にまとまったらしい? (上)が落ちてるんだし、多分・・・。楽しみが一回で終わってしまうのはチト残念かも★
さて・・・又もや、発刊予定表で見落としていた。上記の神林『ラーゼフォン』が出ているだろーと、寄った本屋で見つけてしまったのは、
「うわっ、『海嘯』(の文庫版)が出てるじゃないかー」
と、つい口に出してしまった。恥ずかしい奴だ。んでもって、『チャイナ・イリュージョン』のときと同じく、儲けた気になっている。・・・おめでたい?
南宋滅亡までが描かれているが、時代を幾らか溯った『紅塵』も南宋を、北を追われた宋の、追いたてた金への抵抗が語られた。 ところが、時代の流れは不思議なもので、強国・金の方が宋に先立ち滅亡する。元の出現による金の敗北は宋の運命をも決したほどだった・・・。南に追われていた宋はさらに南へ南へと、落ちのびていくこととなる。・・・そして、
国の興亡に翻弄される人々の姿。それでも、何かをかけるように尽くそうとする姿は、考え方次第で全く別の捕らえ方ができる。 滅びるしかない、運命の定まった宋を、あくまでも、再興しようとする人々は忠義者か、時代に逆行し、平安の日の到来を妨げた愚か者か──断定はできない。 逆に新たな征服者の側についた人々にもいえることだ。 ただ、いつの時代でも「生きていたからこそ」の結果なのかもしれない。
因みに『紅塵』にサラリと触れられているエピソードに『テムジン誕生』がある。このテムジンが元を建てた後のチンギス・ハーンだとは『紅塵』を生きる人々が知る由もない。(しかも、『海嘯』には登場していない)
『海嘯』が出たからには次は『奔流』文庫化だな♪ ただ、残念なこともあり。ハードカバー及び新書版の表紙を飾った皇名月さんのイラストから変わってしまっていた。ナゼだーっ!?
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