八月文庫発刊予定表で、おのろいた。何かしらんが、田中芳樹作品の刊行ラッシュ。しかしながら、よくよく見てみると、ちょーっと呆れてしまった。とりあえず、羅列。 『西風の戦記』『自転地球儀世界シリーズ・1』 『銀河英雄伝説外伝3・上』 『野望円舞曲4』『KLAN IV』
えーっと、原案・二作以外は見事に再刊(とは違うけど)モノ。どないしろっての? しかも、『自転〜』は完結していないのとゆーに出版社を変えての再録。そういえば、『タイタニア』も他社から出し直す予定で、三回ばかし予定表にも乗ったのに、未だに出ていない。困ったもんだ。 因みに『西風の戦記』は田中作品の中で、文庫でありながら、輝が唯一持っていない作品。(『初期作品集シリーズ』もダブりが多すぎて、買わなかったが) 異世界モノとしては興味はあるが、導入部の『高校と暴力教師』なる描写が受けつけられない。多分に生々しすぎる、と感じているためらしい。現実に『嵩にかかったような存在』があるとしても、物語で描かれるとこうも醜悪なのか、との拒絶反応なのだろう。 権力の側が主人公に襲いかかるといえば、田中作品では『創竜伝』だが、竜堂四兄弟は爽快なまでに「なんのその」と涼しい顔で退ける。逆襲されたイジメっ子がほうほうの体で逃げ出すような様は滑稽でもあるからだろう。 それが『西風〜』には感じられない。本筋ではないとしても、導入で躓く。権力をはねのける『力』を持ち得ない者が選んだラストにしても、どこか馴染めない。これはもう作品との相性のようなものだろう。
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