とは彼のジームズ・T・カーク船長らが活躍した『STAR TREK』の邦題。1/21付日誌でもちょい触れたが、未だに新シリーズが続いているこの番組も可能な限り、見続けている。(現在の深夜放送では『ディープスペース9(DS9)』) で、その小説版は主にハヤカワ文庫から出ている。TV版・映画版の小説化もあれば、小説のみのオリジナル・ストーリィもある。今月の最新刊は『新宇宙大作戦』の新作。『新』と冠せられているのはピカード艦長率いるエンタープライズ主役の『ザ・ネクスト・ジェネレーションズ(TNG)』だ。本シリーズでは物語が進むにつれ、旧シリーズのメイン・クルーが登場することも多くなっていった。殊に小説版では顕著で、長命種バルカンであるスポック以外にも様々な状況設定で時を越えたクルーたちが現れるのだ。(特に驚き、切なくもありながら、楽しめたのがチャーリィの登場・TV版もあり) クルーとは別に旧シリーズの『とある一話』を受けついだ物語もある。ハヤカワとは別に角川スニーカー文庫からも新シリーズものが出ているが、その『DS9』の一作は“TERRIBLE TRRIBLE”を舞台にしている。この“際限なく生殖し増殖するトリブルなる珍獣によるステーションのパニックと裏の陰謀”物語は輝も好きな話であり、数少ないビデオに残したものでもある。ちなみにこのエピソードは先のチャーリィ登場話でもジョーディに話すシーンがあるなど、ファン一般に受けがいい話なのかもしれない。 同様に、ビデオ残り組の回に“MIRROR MIRROR”がある。舞台は“組織や人物は鏡に映したかにほぼ同一の存在として重なるが、内面が全くの正反対である平行世界”だ。鏡像なら左右対称だが、裏表というべきかもしれない。酷く好戦的で残虐な宇宙連邦が描かれていた。不思議なのはそんな中でも、バルカンはバルカンとして存在しているらしい、という点だった。 ともかく、今回のハヤカワ新刊はこの『平行世界』を取りこみ、書かれたものだ。しかも、著者はウィリアム・シャトナー──カーク船長その人だったりする。それだけに、出演者にも興味深く印象深い話だったのだろうと想像する。 物語については・・・『新宇宙大作戦』なのだから、メインはあくまで、ピカードらだろう(というか、そのはずだ)。ところが、ボイジャー?も絡み、舞台は錯綜する。さらには『平行世界の住人』たちなのだが・・・やはりスポックはスポックであるのはともかく、どーにも想像できないのが、あちらのピカードだったりする。スポックが「非常に理性的な人間だ。・・・あくまで、地球人としてはだが」とまで評したピカードの残虐な面というものが想像の範疇外になってしまう。とはいえ、それはそれで意外性もあり、是非、映像版を見てみたいものだと切望する。 とは別だろうが“TNG”の新作映画の予定はあるらしい。 そして、TV版新シリーズもスタートしたとか──何と、宇宙連邦設立以前の物語だそうだ。逆に過去を作り上げるのはむしろ難しいことだとは思うが、地球とバルカンのファースト・コンタクトなどとは楽しみな限りだ。
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