プーコリー駅からラハイナの駅までさとうきび列車が走っている。積載しているのはさとうきびではなくて観光客であるが。小さなコームで梳かせるほどの白ひげの車掌のおじさんが笑いながら迎えてくれる。座席は遊園地のメリーゴーランドのような固くて狭いベンチ。しかし、塗装をしなおしていないにもかかわらず綺麗に磨かれた格調がある色合いである。汽笛がなる。風に吹かれた椰子が揺れる。窓から吹き込む風に目を細めて見る。陽気なハワイの悲しい歴史の線路を走る。