これまた葬儀の後のこと。 父や叔父が酔って話してくれたことだが、うちの実家は岡山で その地方では由緒ある苗字らしい。財界の超有名人の一族と いうことだが、実際は単に分家されただけなのかもしれないが。
葬儀の日、どうしても父も叔父も叔母も知らない人たちが2人 いた。誰に聞いてもわからず、住所を見ると岡山からである。 父が代表して伺うことにした。
しばらく話して深々とお辞儀をしたあと、いつもしかめつらの 父が眉間の皺をより深くしてもどってきた。 「どうだった?」一番下の叔母が聞く。
父の話によれば、お二人は祖父が岡山時代に生まれた。 お二人の母上はもう亡くなっている。 そして、お二人の父は祖父その人であった!!! 放蕩者であった父が岡山時代につきあった女性との 間にできた子供であった。 父は実に60年経て、自分の義兄弟に対面したのだった。 父の眉間は未だに深い。
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