水を眺めるのが好きである。 例えば、蛇口から落ちる雫。 その下のコップに溜まった水に 到達して小さな波紋を作るのを じっと見ているのは 頬杖をつく肘が痛くなるまで。
例えば風呂の水を抜くとき排水溝から 小さな渦を作りながら流れ出ていく水を 留守番の昼下がりの貴重な一人の時間を つぶす価値があるものだと言い切れるほど。
そういえば 洗濯機に洗剤を入れた後 十分に攪拌されるのを確認するために 渦の流れに目を奪われていて 回転の向きは定期的に変わるんだと発見した のはいつだったっけ。
そうだ 明日はきっと天気がいいのだから ホースで水を撒こう なるべく遠くに飛ぶように指先でぎゅっと ホースをつまんで 小さい虹でも作ってみようか
水の飛沫が少し風に流れて 愛犬のノラが昼寝をじゃまされて 迷惑そうな顔をするかもしれないな
|