連休明けにも入院する父を連れて、保津川の舟下りに行ってきた。
船頭さんの話を聞きながら… 夏を思わすような陽射しのもと、私と姉の娘二人、親戚同然の仲のおばちゃんの美人三人に囲まれて、80を過ぎた父は嬉しそうだった。
囲碁を打って、天皇賞を語って、娘に博打のウンチクを説く父。
老人クラブでも俺はモテるんだ、と冗談半分、時に本気で困ったようにいう父。
そのくせ俺は気が弱いと、他人に気を遣いすぎる神経質な一面も覗かせる。
家を出てしまった兄との会話も、父親として面と向かって出来ないままだ。
父親という評価を下せば、一般的には「2」がいいところのアカンタレ。
だけど、この自分に正直な、枯れても、若さ(弱さ)をみせる父が好きだ。
どうしようもなくなったら、病院を逃げだして好きなようにやる、という。
それは父の本心でもあり、実は案外そうでもないんだろう。
考える事なしに、
今がこのまま続けばいい… そう思う。
何で5月なんだろう…。
2年前の母の時と同じだ。
若葉が目に染みるほど鮮やかで、命が躍動的なこの季節に、対岸を考える。
川面を吹き抜ける風や、ゆったりとした時間の中に、つまらぬ考えなど、みんな融けてしまえばいい、と思った。
乗客を船着き場に下ろし、帰っていく船
Sako