京のいけず日記

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2005年10月16日(日) 仮称「総司トンデモ本」を読んで、とんでもないことを思う。

海之森 凛 著 「美剣士 沖田総司」を読んで思ったこと。
以下、この手の話の苦手な方は、今日の日記は読み飛ばしを。ご容赦を…。
それと、いつものことで、途中から妙な方向へ脱線します… 久々の全文、font size="2"!(笑)


のっけから総司×歳三で、相手替え、場所替え、全編ハードなBL漂う、この小説。
三条実美、桂小五郎、しまいには、あの西郷さん…までが登場します。
頁の間にはさまれる江戸時代の男色、衆道、陰間などの話は面白かったんですが…。

実は、思ったほど、…萌えなかったんです。  (こういう使い方でいいんでしょうか?)

別に(そうだったとしたら)受けがよかったなぁ、とか。
相手は総司ではなく、近藤さんの方が良かったなぁ、とか。(沖田総司が主人公の本です)

決して、そんな理由じゃないですよ! (な、何言ってんでしょ。すいません)
じゃ、どんな理由かというと。たぶん。

同じ文字でも、文章に色気の感じる人と、感じない人がいて。
例えば、暴言を吐くと、私の中では司馬遼太郎は色気の大権化だし、
手塚治虫はヘンタイ王だったりするわけです(← 好きだっていう意味です)
その艶ぽさを感じなかったことが一つ。

それと、ここからが、いよいよ耽美の真髄?みたいなところで、話が尻切れトンボで終わってる。
ここで終わりますか…。どーなんのよ、この先、総司と、歳三の恋仲は!(笑)

そして、たぶん、これが決定打。
この本がじゃなくて、たぶん、私の感じるツボが違うんだろうなぁと思う。

最近、この手のものはめったと読まないんですが、たまに目にすると、
これでもかの描写が多く、オヤジの読んでいる、もろエロ小説みたいで退屈になる。
ストレートで、分かりやすくて、かえって色気を感じない。

レディコミもそうだけど、なんか、完全オヤジ化してるちゅーか。
いや。おっちゃん連中は大好きだから、おっちゃんはいいんですけどね。

どうせなら、見えそうで見えないパンツじゃないけど…。
そういう描写いっさい抜きの、人の色とか、情とか、極上のエロティシズム小説を読んでみたいな。

…ちなみに土方歳三が「そうだった」とは夢にも思いませんが、ね。
ただ、信頼や、嫉妬、精神的な男同士のつながりはあったんじゃないかな。

らくがき絵

おまえ、水屋の大福食ったな!?


何度か、この日記でも、
おしっこの飛ばし合いを競ってる男の子同士に憧れを感じてきた、と。
少女マンガを読むよりも、望月三起也とか、ちばてつやとかの世界が好きみたいな、
あほなことを書いてますが。任侠ものも好きですし。
女とは違うものに、ずっと憧れてきて、ややもすると女より上みたいな、意識があったわけですが。

ここにきて、男て、もっと単純で、馬鹿で、自由な生き物なんじゃないかと思えてきました。
友情がどうたら、とか、愛情がどうたら、とか、そんな、ややこしいことがなく。

うーんと、ね。…例えば、したくなっちゃたら、の例でいくと (すみません)
両刀でも何でも使っちゃう?みたいな。据え膳…みたいな、そういうことに後ろめたさがない。
女性の別腹のようで、それとこれは違うんだ、みたいに割り切ってる。

だから平気で別の人を抱いちゃう。(あるいは抱いたいちゃい、という願望(笑))
だけど、大切に思っているのは君だけなんだよ。と痴れという。

彼の中で決して矛盾しているのではなくて、悪気もなく、ごく当たり前の発想で、
だから女の人が腹を立てるわけが、ほんとに分からない…。

てなことに。…あ。もちろん、男、女の前に一人一人個性が違いますが。

浮気のうの字もない、うちの優しいダンナさまですが、何だったかなぁ…。
たぶん、ダンナにしたら何か些細な事で、喧嘩して、
突然、私の目からボロボロ涙が出てきたら、慌てたというより、
ほんとに何で泣くのか分からない、というオロオロした顔をして困っていたっけ…。
私は私で…なんで分かってくれないの、と、ダンナの鈍感さに腹が立ったり。

男と、女って、やっぱり違うんやろね。体の造りも、本能も。
何となく、男の人が持つ可愛さ… 分かってきたような気がします。


で…。ここで女の体であるがゆえの、素朴な疑問なんですが、はい。

北走以降、箱館でも、遊郭などに上がらず、すごくストイックだったと。
本当にそうなら、男盛り35前後。そういうのって大丈夫なんでしょうか。

いやぁ…。10代の頃から、あの写真の主に夢中でしたが。
こういう発想はなかったですね。これを成長というべきか、恥ずべきか… (^^ゞ 

男の人って、その気がなければ、なくても別に済むもんなんでしょうか??
(→ すみません。本人は至って大マジメです)

もし済まないとしたら…。
 その1. やはり決まった相手がいた、わけで。
 その2. もちろん適当に適当な相手と抜いていた、わけで。
そして、
 その3. まさかのまさかのまさか… 男…

コホ。失礼。不愉快になられた方いらっしゃたら、ごめんなさい。
 
体のことはよく分かりませんが、箱館での日常は、情欲はもちろん、ひとり粗食であったという。
近藤や、古くからの仲間を失い、北の辺土で自分を追い詰めていた。精神的にも、肉体的にもぎりぎりで萎えていた。

と思いますがね…。



ところで。
この本を読む層の方は、もしかして峰隆一郎さんの本は読まないかな。
こちらの方は、一章ごとに、女と、人斬りの事しか考えていないような歳三(笑)が登場します。
最初は、女性との絡みにしてもワンパターンの展開に呆れるやら、腹立たしいやら…。
おきまりの濡れ場が入り、登場する女の人に共感もまったくわかないんですが…。

ところが、不思議ですねぇ。
冊数を重ねても、あいも変わらず、笑えるほど、女と、剣なんですが。
男とはこういうものかと、だんだんと、そんな歳三が可愛く思えてきたり…。

確か、未完のままですね。
お亡くなりになられていますので。町田市にお住まいだったとか。
町田…小島家のあるところですよね。また行きたいなぁ。
峰隆一郎版、土方歳三、最後の日って、どんなんだったのかなぁ…。残念です。


創作も、まじめな研究本も、マンガも、いろんな手の方の本を読んで、
妄想を積んでは壊し、積んでは壊し、未だにどんな人だったのか、分からないけれど。

私は…
冥土で近藤に合わす顔がないと言った歳三さんが好きです。


Sako