京のいけず日記
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2004年09月22日(水) |
通勤絵日記 懐かしさの正体 |
目を奪われたのは その人が輝くような金髪で 目鼻立ちが整った造りを していたからではない。
彼女が身につけていた 綿の 白い オーバーブラウスのせいだ。
大きな襟に黒のリボン ボリュームを出した クラシカルな袖と 裾には 綿のカットレース。
シンプルなパンツスタイル けして 華美というわけではない。
中間色のユニセックス的な服装が多い車内で 白いブラウスの彼女は まるでお人形のように目立っていた。
…ビヨルン・アンドレセン
入れっぱなしの記憶の中から どこでどう その名前をひっぱりだしてきたのか 唐突に彼の名前が浮かんだ。
映画 ベニスに死す の 主人公 どういうストーリーであったか 見たはずなのに何も覚えていない。 彼自身についても世間でいうほどの評価もしていなかった。
記憶とは面白い。 彼の名前はどこの引き出しにしまわれていたのだろう。
突然に思い出した男の名を一本線で打ち消し あとは連想ゲーム 記憶の断片が浮かんでは消えた。
彼女から連想される この奇妙な懐かしさの正体は何なんだろう。
はす向かいに座った彼女の姿を眺めては 幾つかの駅を過ぎた。
そして ようやく 記憶が行き着いた先は。
…フィリップ そして 鷹塔摩利
ああ。なんだ。そうか。
彼女の整った目鼻立ち 白い肌 きつそうな視線の色 輝くような髪。 そして 何だか懐かしい フリルのブラウス。
思い出したのは子どもの頃に憧れたマンガの主人公。 思い出したのは幼い頃のお姫さま遊び。
幼稚だな。
懐かしさの正体がわかって ひとり苦笑いした。
そんな通勤電車でのひとコマ
Sako
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