京のいけず日記

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2004年08月28日(土) 白蛇伝(新選組!33回目の妄感)


豊玉発句集にある

水の北山の南や春の月
という句。

何となく浮かんだので
何となく入れてみました。

もちろん
発句した時期が違うし
山南さんのことを
詠んだものではない。
(そういうお茶目な解釈を
したのもあったけ?)


「たけしのこんなはずではなかった」を見た。昔の東映動画。白蛇伝。…猿飛佐助、西遊記、わんわん忠臣蔵…見たいなぁ。

日本アニメの原点は江戸時代の浮世絵だったとか。大胆な構図と線の世界。北斎漫画すごい!柔らかく生きた色気のある線。
そんな絵が描けるようになりたいなぁ。



------ ● 新選組!第33回目の妄想的感想 「友の死」● ------

演出:伊勢田雅也


なぁ。どうして、こうなるんかな。
うちには分からへん。
誰も山南さんが死ぬのを望んでいない。

そやのに。 何で死ぬんや。 何を守るんや。

泣くぐらいやったら、意地なんか通さんでええ。
叶うことのない約束をしてまで、かっこつけて死ぬことあらへん。

みんな自分はやるべき事をしたと、無理やり思おうとしてる。

残るものに情を残して、悔いを残して、
山南さんもあほや。近藤も、土方も、皆、あほや。


…失礼しました。妄想人のたわごとです。
泣くぞ、泣くぞ、と思っていると、案外、泣けないものですね。


明里が言う。
「ほんま、分けのわからん人やな」

山南さんは本当に逃げる気があったんでしょうか。
それも一人ではなく明里を連れて。身請けまでして。

追手の沖田を見て、運命を、覚悟を決めたのでしょうが。
山南さんの甘さが、中途半端な情けが、垣間見え、腹立たしい…。

そんな気持ちを、腹立たしさを、
総司は、子どもっぽいセリフで代弁してくれてますね。

「うちは、それほどあほやないもん」
あれでグッときました。みんな、明里ぐらいに強くなりいな。


土方の号泣シーンは、何だかドギマギしてしまいました。
見てはいけないものを見てしまったような…。

でも。二人そろって、あんなに手放しに泣いたらあかんて。
じゃないと、泣くのも泣けへんやんか。


それより切なかったのが、このシーン。
「悔やむ事はない。君は正しかった」

山南さんにそう言われた山本歳三さんの表情の演技。
へたにセリフがないだけに、すごく良かった。

何だか幼子を見てるようで、胸がしめつけられた。

自分が死においつめたと思っている人間から
そんな風に言われて、土方はどんな気がしただろう。

言葉とは裏腹に、山南は自分の正しさを言うがために意地を通した。

永倉や原田に、自分は降りるが、近藤を見守ってやってくれとか。
山崎や河合に新選組のことを伝えてほしい、とか。

近藤や、土方や、明里だけではない、
皆に重い土産だけを残して、自分は疲れた、と先に往ってしまった。

ただ疲れてしまった。
近藤や土方達と知り合った事、新選組に関わった事に悔いはなかった。

ほんとにそうだったのなら、静かに往けないものか。
何より、近藤や、明里や、大切な人のために
自分を捨て生きることはできなかったのか。
自らをあえて貶め、騙し、逃げる事は出来なかったのか。

親切者で、要領が悪くて、真正直で、みんなをかき乱してしまう。
そして、その事にさえ気がついていない…。

割り切って捨てることのできる土方よりも、
様々なことを引きずっている山南に、どちらかといえば似ている、私。
もちろん、あんな人格者ではないけれど。
だから、きっと、よけいに腹立たしくなるのかもしれないな…。

私が今まで持っていた山南敬助のイメージとは、少し違った山南さん。
脚本、役者の堺さん、共に、とっても存在感がありました。

あぁ、今度は平助ですか。
河合の切腹も切なくなりそうですね。

おひでちゃんみたいに
「私、土方さんを嫌いになりそう」って人が増えるかしら? (^_^.)

実際、どんな言いわけ、妄想をこじつけても、飾っても、
歳三さん、やってることはやってるもん。

土方が、ずっと組織の中枢、副長の座にあったことを思うと
歳三さんがそれを望んだかどうかは別にしても、
指揮者・実行犯であったのに間違いない。

でも。そやかて。好きなんやもん。
なんでかなぁ。なんでこんなに好きなんやろ。

おっと。また、ここに戻ってきたので、今日はこれまで。


…それにしても山南さんの死を悼んで、句を詠む、谷原伊東さん。
あそこで詠むかぁ。笑いそうになった。こんな人いるよね。

ほんとに困ったような、谷原さんの表情が good!


Sako