京のいけず日記
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2004年07月18日(日) |
鬼の背中(新選組!27回目の妄感) |
背中が喋ったら、あの人の背中は何ていうだろう…? 子どものように泣いていたかな。大人のように笑っていたかな。 ------ ● 新選組!第27回目の妄想的感想 「直前、池田屋事件」● ------
演出:伊勢田雅也
「…(沖田)はいつも私の前にいる。いつまでたっても超えられない」 人気のある沖田総司の名を偽る平助は、まるで昔の私のようだ。 香取勇さんのセリフもよかったし、いい場面…。なんやけどなぁ。
新八と小常。総司とひで。左之とおまさ。昌武の養子話…。 ざっと思い出すだけでもこれだけの内容。 直前、池田屋事件という割には、サービス満点のレディースセット??
そやけど。あながち、どちらがリアルかというと、 案外、日常なんてチマチマとして、こんなもんかも。
悲しみのさなか、坊さんへのお布施や、会食の中味を心配していた家族。 消えてなくなりたい…。崖っぷちで、なお空腹と尿意をもよおす体…。 あほらし。そやけど。それが現実。 嘘でもかまへん。ドラマを期待する理由かなぁ。
香取勇さん。気になっていたセリフも自然に重みが出てきたように思う。 永倉。土方。山南…。それぞれの担ぎ手達によって、 自分の思惑とは別に祭り上げられる大将は辛いやろね。
近藤勇…。歳三さんの盟友。 例の写真を見ると、堪忍やけど、なぜか義姉の顔を思い浮かべてしまう。 目元のあたりが、すごくよく似てるん。ほんま。 強そうで、さっぱりして、その実、気遣いの人です。似てるかも?
さて。オダギリ斎藤さんは。 小六(ヤクザ)のネタをまだ引っ張るかぁ〜って感じですが。 そやけど。変やけど、オモロイねん。斎藤さん。
目を開けたままで寝てるのが、すごい! それにまた。一番痛い拷問の方法を土方に教え、 その背を見送った時の、何ともいえぬ、濃い表情…。 何ちゅーか、ほほっ。…でんな。
新選組の生き残り組で、他のメンバーより、よっぽど イメージが固まっていそうなものなのに。謎の多いお人です。
謎といえば。昌武の養子縁組の話。
あんなぁ。あんたらなぁ、夫婦を何やと思てんねんッ!
つねさんは、いきなり昌武の母上になるわけでしょ。 可愛い、たまちゃんもいるのに。 女の人は話の外にいて、いつも後を付いていくだけやったんやろか。
そう思うと。 「…付き合ってるときはいいが、女は別れた時が面倒くさい」 などと。気障にぬかしたかどうかは分かりませんが。
存外、歳三さんは誠実…。 いや気が優しい…。いや、…気が弱かったんやろねえ。
その。気の弱い?男の話。
中学生になったかどうか…。そんな昔も大昔。 それまでの創作の中の土方とはあきらかに違う世界を知る。
五寸釘に、百目蝋燭、逆さ吊り、生々しい活字をバックに登場した土方。 薄暗い土蔵や、梁からさがる縄。ガイドブック的な明るさはどこにもない。
冗談にして遊べるほど、まだ器用でもなかった私は、怖くなった。
その頃。一番身近な男だった兄は、言葉が詰まると手をあげた。 暴力。人を虐めること。葬ること。闘争。力という名の正義。
写真の中の優しげな男はどんな人だったんだろう…? 妄想を積み上げては壊し。都合の良いイメージを押し付けては壊し。 堂々めぐりが続いている。
ただ、ひとめ。ほんものの歳三さんに会いたいなぁ。 …うん。怖くて泣いてもいいや。
ところで今、浅田次郎の「輪違屋糸里」読んでます。 そこに登場する土方の酷い拷問シーン…。いやー…すご…過ぎる…。 百目蝋燭の比じゃないわ…え?…ここでは言えません、はい。
自分に惚れている少女(糸里)を道具とし、策謀に加担させる、 こんな歳三さんは嫌だが、この男ならありえるかもと思ったり…。 でも、糸里とふたりのシーンは微笑ましい。
糸里。八木家、前川家の女房。お梅。吉栄。それに芹沢、平間…。 土方も含め、たくさんの男達…。 それぞれの人物の語り(独白)が入り、感情移入がしづらい。
作品としたら、壬生義士伝の方が好き。 通勤文庫にしては重たいのが難! それに高いぞ。単行本!(T_T)
Sako
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