井口健二のOn the Production
筆者についてはこちらをご覧下さい。

2024年08月18日(日) Back to Black エイミーのすべて

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
※このページでは、試写で観せてもらった映画の中から、※
※僕に書く事があると思う作品を選んで紹介しています。※
※なお、文中物語に関る部分は伏字にしておきますので、※
※読まれる方は左クリックドラッグで反転してください。※
※スマートフォンの場合は、画面をしばらく押していると※
※「全て選択」の表示が出ますので、選択してください。※
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
『Back to Black エイミーのすべて』“Back to Black”
1983年に英国ロンドンミドルセックス州で生まれ、2008年の
第50回グラミー賞にて映画の題名と同じタイトルのアルバム
で最優秀新人賞や最優秀楽曲賞など5部門を受賞した歌姫・
エイミー・ワインハウスの生涯を描いた作品。
元タクシー運転手だが後にジャズシンガーに転身したという
父親と、薬剤師だが親戚に多くのプロミュージシャンがいる
という母親の間に誕生したエイミーは、16歳の時に通ってい
た演劇学校を退学処分になる。
しかしこのときの同級生が所属していたレコード会社にデモ
テープを送ったことが切っ掛けで歌手への道が開けることに
なる。そして20歳の時にリリースしたデビューアルバムがプ
ラチナセールスを記録し、ブレイクを果たす。
ところが元々の性格の弱さなどがデビュー当初から薬物やア
ルコールへの依存症を引き起こしていた。それでも何度も復
活し、さらにはそれを題材にした楽曲などでファンの心を掴
んで行くが…。

監督は2015年『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』など
のサム・テイラー=ジョンスン。脚本は、監督のデビュー作
『ノーウェアボーイ』(2009年)で組んだことのあるマット・
グリーハルシュが手掛けている。
出演はその監督らに「彼女しかいない」と言わせた子役出身
のマリサ・アベラ。声質などは異なるが、自身の歌唱で劇中
でのエイミーの楽曲をカヴァーしている。
他に2023年8月紹介『オペレーション・フォーチュン』など
のエディ・マーサン、2024年4月紹介『フェラーリ』などの
ジャック・オコンネル、2011年9月紹介『家族の庭』などの
レスリー・マンヴィルらが脇を固めている。
音楽には全く疎くてこの女性歌手のことも知らなかったが、
アーティストにありがちというか、心の細やかな人はこうな
ってしまうのだなと言う感じの物語が展開される。それにし
ても悲しい物語だ。
特に結末に関しては、ウィキペディアにもこういうエピソー
ドは紹介されていなかったが、繊細さがそれを招いたという
解釈はファンにも納得できるものなのかもしれない。いずれ
にしても巧みに作られた物語で、依存症撲滅のキャンペーン
にも使えそうな作品だった。

公開は11月22日より、東京地区はTOHOシネマズシャンテ、渋
谷シネクイント他にて全国ロードショウとなる。
なおこの紹介文は、配給会社パルコの招待で試写を観て投稿
するものです。


 < 過去  INDEX  未来 >


井口健二