2023年12月03日(日) |
犯罪都市 NO WAY OUT、ダム・マネー ウォール街を狙え! |
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ ※このページでは、試写で観せてもらった映画の中から、※ ※僕に書く事があると思う作品を選んで紹介しています。※ ※なお、文中物語に関る部分は伏字にしておきますので、※ ※読まれる方は左クリックドラッグで反転してください。※ ※スマートフォンの場合は、画面をしばらく押していると※ ※「全て選択」の表示が出ますので、選択してください。※ ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ 『犯罪都市 NO WAY OUT』“범죄도시3” 2017年7月紹介『新感染ファイナル・エクスプレス』などの マ・ドンソクの主演で2018年2月11日付題名紹介作品からの 第3弾。因に前作の後には『犯罪都市 THE ROUNDUP』という 第2弾があったようだが、ヴィエトナムが舞台だったという その作品はCOVID-19の影響で見逃したものだ。 本作の時代背景は2015年。前作からは7年後となっている。 そして主人公はソウル広域捜査隊に転属となっていた。そん な主人公は繁華街で起きた転落死事件を捜査していたが、そ の裏に違法薬物が絡んでいることを突き止め、さらに日本の 暴力団(ヤクザ)の関与も判明してくる。 一方、仁川南港を仕切る裏組織の中では日本から送られた大 量の違法薬物が行方不明になっていた。その事態に日本から は「解決屋」と呼ばれる男が来韓し、さらに地元警察の悪徳 刑事も違法薬物の行方を追い始める。そこに主人公らの広域 捜査隊も加わって三つ巴の戦いが始まるが…。 共演は2019年4月紹介『神と共に』でもマ・ドンソクと共演 のイ・ジョニョク。それに日本から2012年6月紹介『るろう に剣心』などの青木崇高。さらに2017年1月15日付題名紹介 『哭声<コクソン>』で韓国青龍賞受賞の國村隼がカメオ出演 している。 監督は第1作の助監督で、第2作から監督に抜擢されたイ・ サンヨン。美術監督、武術監督、衣裳監督らにもオリジナル からのメムバーが結集しているようだ。 日本のヤクザが絡むということで、アクションには当然日本 刀が登場する。それを青木が担ってマ・ドンソクの鉄拳と戦 うのだが、ここはやはり日本刀同士のチャンバラが見たかっ たかな。 青木は『るろうに剣心』のチームを引き連れての参戦という ことだが、最近では2023年6月紹介『ジョン・ウィック:コ ンセクエンス』の真田広之や前回紹介『シャクラ』のドニー ・イェンなど、かなり壮絶なチャンバラがスクリーンに登場 しているので、その点では少し物足りなかった。 もっとも本作はマ・ドンソクの鉄拳が見せ場の作品だから、 その点は致し方ないかな。でもその前か後にでも、何かもう 少し工夫が欲しかったとは思うところだ。 とは言うもののマ・ドンソクの鉄拳はそれだけで堪能できる から、これで良いのだろう。お話も三つ巴の割には明確で、 エンタメとして充分に楽しめる作品だ。因に第4弾の制作も 進んでいるそうだ。 公開は2024年2月23日より、東京地区は新宿ピカデリー、グ ランドシネマサンシャイン池袋他にて全国ロードショウとな る。
『ダム・マネー ウォール街を狙え!』“Dumb Money” 人の好い天才を演じさせたら右に出る者はいないと思われる ポール・ダノの主演で、2021年1月にアメリカ金融界を揺る がせた出来事の真相を描く事実に基く作品。 主人公は保険会社に金融アナリストとして勤務する男性。そ の傍らで彼は知識を活かしローリング・キティの別名で金融 情報を発信するYouTuberでもあった。そして彼は老舗ゲーム 小売店チェーンの株に全財産をつぎ込んでもいた。 ところがその株価がじりじりと下がり始める。そこで彼はそ の株価が不当に低く評価されていると判断し、自らのチャン ネルで今が買い時だとの訴えを開始するが…。実はその株価 の下落にはヘッジファンドの空売りが関与していたのだ。 こうしてアメリカ国民の1%がその富の3分の2を占めると される超富裕層 vs.ダムマネー(愚かな資金)と称される一般 投資家の戦いが開始され、ヘッジファンド側が繰り出す様々 な妨害の中で、主人公を信じる人々の奮闘がヘッジファンド を追い詰めて行く。 共演は2005年9月紹介『旅するジーンズと16歳の夏』など のアメリカ・フェレーラ、2023年5月紹介『ワイルド・スピ ード/ファイヤーブースト』などに出演のピート・デヴィッ ドソン、2018年10月21日付題名紹介『アリー/スター誕生』 などのアンソニー・ラモス、2017年5月紹介などの『ダイバ ージェント』シリーズに主演のシャイリーン・ウッドリー。 他にセス・ローゲン、セバスチャン・スタン、ニック・オフ ァーマン、ヴィンセント・ドノフリオらが脇を固めている。 原作は2010年10月紹介『ソーシャル・ネットワーク』の原作 者でもあるベン・メズリックによるノンフィクション。本作 では主人公を始めヘッジファンドの関係者らもすべて実名で 描かれているものだ。 監督は2018年3月11日付題名紹介『アイ,トーニャ 史上最 大のスキャンダル』などのクレイグ・ギレスピーが担当して いる。 超富裕層が金に任せて株価を操作し、さらにその富を倍増さ せて行くヘッジファンドの存在には以前から不快感を持って いたが、そのヘッジファンドに一杯食らわせた2021年1月の 事件にはかなり胸がすく思いがしたものだ。 とは言えそれがどう行われたかについては、当時の報道を読 んでもなかなか理解できなかった。それが本作では実に明確 にその事実関係が紹介され、改めてその出来事の見事さに感 動したものだ。 まあその後はヘッジファンド側もさらに周到に株価操作を進 めているのだろうが、一時にせよそこに風穴を開けた主人公 らの行動には敬意を表するしかない。そんな思いにも駆られ る作品だった。 公開は2024年2月2日より、東京地区はTOHOシネマズ日比谷 他にて全国ロードショウとなる。
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