イツカノキズアト



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2004年10月23日(土)
実習中に学んだこと。そして私の介護観

7月の実習で、凄く好きな利用者の方がいました。(特別養護老人ホームのネ)
四週間あって、二週間と数日、すぐ近くにいたのにその人のことをあんまり気にしたりしなかった。
酸素吸入器(?)をつけていたし、最初の方はなしかけても返事が無かった。
だから、まぁ良いやって思ってた。
でも、なんかのきっかけで凄く話が出来るようになって。
それがもうラスト一週間くらいの時で。
その利用者の方は、どちらかと言えば放っておかれていて。
しっかりしていて、いつも鍋置きを作っているからだけど。
それが凄く凄く悲しくて。
絶対にこの人はもっと話したいんだ。
もっと誰かと一緒にいたいんだ。
そう思って。
どうしてもっとこの人に気付けなかったんだろうと思った。
物凄く悲しくなった。こんな現実も厭になった。
そして、こんな自分も大嫌いだった。
もっと早くに気付いて、この方のケアプランを立てることが出来ていれば。
少しはあの方も笑う回数が増えたかもしれない。
そう思うと、自分の無力さに涙が出た。
最後の日なんて実習終わる前から泣いていた。
だから写真の私は全て目が赤い。
夏祭りのボランティアに行った時も、私は泣いた。
見た瞬間に泣いた。
夏祭りにその方の家族がくるはずだったのに、その日が台風だったからなのか、はたまためんどくさくなったのか、家族は来なかった。
それがまた悲しかった。
この人こそ幸せになるべきなのだ。
この人こそ家族が温かく包むべきなのだ。
台風ぐらい良いじゃないか。しかも、そんな大したこと無かったのに。
少し顔を見せるだけで、最高の夏祭りになったんだ。
職員も何故、気にしない。
忙しいのは判る。確かに移動だの何だので忙しかった。
だからって、何故。家族の代わりに少しくらい一緒に楽しんでくれれば良いじゃないか。
半ばしっかりしているからって、勝手に楽しめるとでも思うな。
楽しいわけないだろう。
他の利用者の方の家族も来て、皆が楽しそうに笑っていると言うのに。
自分の家族も来ず、職員からも気に留められなくて、どうやって楽しめというのか。
馬鹿じゃないのか。
私は実習生だからこんなことが言えるのだろう。判っている。
仕事をし始めたら、それどころではなくなる。
たぶん、ほんとうにそうなってしまうのだ。私も。
でも、厭だ。
どうして、利用者の方の悲しそうな顔を見なければいけない。
利用者の方々こそ幸せになるべきだ。
戦争を体験し、貧しさを体験し、今の私たちに無いものを沢山持っている。
今の日本を築いてくれたのだ。
尊敬すべきなのだ。
赤ちゃん言葉を使ったり、おざなりな介護をして良いわけが無い。
この仕事は尊いのだ。
今まで努力をしてきて、少し疲れてしまった方々のお世話をするのだ。
『してあげる』のではなく、『させていただく』のだ。
それだけは忘れてはいけないと思う。


と、熱く語ってみる。
いや、でも本当に。もっと心のケアはすべきだと思う。
二年と言う短い期間短大に行って(まだ行き中だけど)、とても多くのことを学べていると思う。
しっかりとした介護観も少しずつだが確立しつつある。
私は利用者の方々を悲しませたくない。笑っていて欲しい。
それだけだ。










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