せきねしんいちの観劇&稽古日記
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9月20日(日) 千穐楽の舞台。九回裏。 千穐楽だから特別な何かということは何もなく、ただ、いつもと同じで毎回違う、今を生きるそんな時間を舞台上で過ごす。 終演後、劇団劇作家の篠原さん、佐藤さんが楽屋に来てくれる。昨日に続いてのIさんにも御挨拶。 ばらしのお手伝いはほとんどできないまま、メークを落とし、着物を片付け、お世話になったかつらの手入れをして返却の準備をする。 川和先生の奥様から加賀川役への贈り物をいただいた。 松竹梅の金地黒骨の舞扇。自作の短歌が添えられている。 「人の世の 習いに添った面つけ さらりと生きる 加賀川かなしや」 実は、僕は加賀川さんを演じながら、哀しい人だなと思ったことはなく、劇中で「運がいい方」自分で言っているくらいなので、そうなんだなあとばかり思っていた。 でも、言われてみれば、遊女に売られて、抱一に落籍されても、男を頼りにして生きるしか道はないわけで、そういう意味では、ほんとうに哀しい人だなあと、千穐楽の舞台の後で気がつかされた。 今度やるときは(いつか、あるかどうかもわからないけど)そんなことも考えて演じてみたいと思う。 打ち上げは、本来は休業日の「青葉」さんを貸し切りで、川和先生も一緒ににぎやかに盛り上がった。 二次会に流れるみなさんと別れ、一次会で失礼させてもらう。 気持ちよく舞台を終えることができて、本当にうれしく、ありがたい。 ご一緒させていただいた、キャスト、スタッフのみなさん、そしてご来場いただいたみなさん、どうもありがとうございました!
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