せきねしんいちの観劇&稽古日記
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2009年09月18日(金) 缶ビールと眉なしの帰宅

9月18日(金)
 二回公演の日。
 マチネ。本番中、セリフを言いながら口の中を噛んでしまう。
 「八十丸さん、八十丸さん」と呼ぶところの二度目の「さん」の「ん」で右の奥歯で頬の内側の肉を思い切り。
 痛いも痛かったが、びっくりした。で、その後の「上人さんがお呼びだよ」もなんだか変な音になってしまう。
 いつもとちょっと違う音、少し高めの音を出そうとして失敗したんだと思う。それにしても「ん」を言おうとして噛むっていうのも、何だかありえないことのような気がする。
 終演後、劇団劇作家の有吉さん、石原さん、劇団印象の加藤くん、桜澤凛さんが楽屋に来てくれる。
 加藤くんは、印象の「父産」で僕の息子を演じる予定。
 今日は「息子として」見に来てくれた。着替え途中の「おっ母さん」なまんまでごあいさつ。
 桜澤さんは、以前、名作劇場の「遺族達」に出演していたんだった。ひさしぶりなおしゃべり。
 ソワレ。
 このところ、毎回思うことなのだけれど、オープニングの酒井家御用人の某(「なにがし」、そういう役名なのです)、芸者のおきわさん、おとらさん、幇間の鼓八さんとのやりとりが、とても楽しい。
 冒頭の加賀川さんは、こてこての花魁言葉で某さんを煙に巻いてるので(僕は「花魁ごっこ」のつもりで演じてます)、やりとりよりは、どうしゃべるかということを意識していたのだけれど、初日が開いてから、舞台でのやりとりがどんどんおもしろくなってきた。
 某の杉浦くんが笑うのと一緒に、声を上げて笑ってみたり、幇間の初月くん、芸者の五弓さん、吉田さんを、三人まとめておしゃべりしているのではなく、一人一人に向けて話しかけるようにしてみたり、そんなことがいろいろできるようになって、ものすごくラクに舞台上にいられるようになってきた。稽古場でなんでできなかったんだろうと思ってしまうが、まずは、今、そんな時間を楽しめていることに感謝。
 終演後、母校小松川高校の演劇部の後輩の鈴木さんたち、それに相楽満子さんが楽屋に顔を出してくれる。また、着替えとメーク落としの途中でごあいさつ。
 着物を片付け、メークを落として、スタッフルームでの缶ビールでの乾杯に参加。
 スタッフ、若手キャストのみなさんと。
 22時撤収なので、ばたばたとあわただしく。
 終演後すぐのビールは、このタイミングならではおいしさ。
 帰り、両国の駅で、メークを落としたままで眉を描いていないことに気がつく。
 うわ、駅のトイレで描こうか?と思ったのだけれど、毎朝、眉を描かないまんまで劇場入りしていることに気がつく。
 なんで、帰りにだけ、描かなきゃという気になったんだろう? いや、なんで毎朝、家を出るときに描かなきゃという気持ちにならないんだろう?
 乗り換えの亀戸駅のトイレでさくっと描いて、駅近くのドンキホーテでキャットフードを買って帰宅する。
 写真は、今回お世話になっている地味顔化力ばつぐんのかつらです。


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