せきねしんいちの観劇&稽古日記
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2009年09月08日(火) 乙川優三郎「麗しき花実」と妙華尼さん

稽古は休み。
図書館に行って、朝日新聞に連載中の乙川優三郎「麗しき花実」を読む。
「根岸の一夜」の主人公、酒井抱一のに僕が演じる加賀川さんも登場しているらしいと聞いて、縮刷版を手に取った。
2月からの連載なので、けっこうな量、それでも、今度、いつ来れるかわからないので、一気に読んだ。
これまであまり意識していなかったが、連載小説の欄というのは決まったページにあるのではなく、日によっていろいろなところにある。
とてもいい雰囲気の挿絵を目当てにページをめくった。
7月までの縮刷版と8月から昨日までの分の新聞から、読めるだけの分は全部読んで、閉館時間になった。
加賀川さんは、出家した後の剃髪に頭巾姿、名前も妙華尼となっている(これは「根岸の一夜」も同じ)。
吉原に通う抱一について語る場面、故郷へ帰る女主人公を送る場面での言葉、いいセリフがいっぱいだ。
ああ、こういうこと言うんだろうなというのが、とてもしっくり腑に落ちた。
この人の具体的な資料はほんとに少なくて、抱一と一緒に書いた絵と、それと没年がわかるくらい。
なので、こんなふうに小説の中の生きた人物として描かれているのを読めたのがとてもありがたい。
「根岸の一夜」での抱一への加賀川さんの思いが、前より具体的になったように思う。


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