せきねしんいちの観劇&稽古日記
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2009年09月06日(日) |
リーディングと通し稽古×2 |
午後、来年一月に客演する「ろばの葉文庫公演『僕らの声の届かない場所』」の顔合わせ&最初の読み合わせ。 まだ稽古入りには間があるのだけれど、改稿にあたって作家の前で一度読んでみようということだそう。 稽古場の最寄り駅で待ち合わせ。 知っている人は、詩森さんとほさかさんだけ。自己紹介は、後ほど改めてということで、稽古場まで十数分の道をほぼだまって歩く。 緊張している自分、人見知りな自分をもてあます。 会場について、軽いアップの後、読んでみる。「僕らの声の届かない場所」作、ほさかよう。 初めましてなみなさんと、初めての台本を読んでいくうちに、どんどん自由になっていく自分に気がつく。 どうやろうかというプランもほぼないまま、やりとりだけをちゃんとしようとだけ考えて、全編のリーディングを終える。 終了後、とてものびのびとした気持ちになる。 もうみんな、初めましての遠い人たちではなくなっている。どこか「仲間」のような感覚になっている。 そんな力を持った戯曲なんだなあと思った。いいかげんな本だったら、そうはいかない。 詩森さんから、好きな画家について話してもらえますかという提案があり、読み合わせをしたキャストがそれぞれの言葉でそれぞれの好きな画家と作品について話した。 これもいい時間だった。 僕は、ミロ、熊谷守一、ギュスターブ・モロー「廃墟にたたずむヘレネ」、上村松園「焔」「花がたみ」、ゴッホ「オリーブの枝」について話す。 帰り道、駅までの長い道のりを、今日初めて会った役者さんと話しながら帰る。 何時間か前に同じ道を無言で歩いていたのが嘘のよう。 演劇ってそういう力があるんだなと思った。 みんなが懇親会に流れる中、「根岸の一夜」の稽古へ向かう。 稽古は、今日も2回の通し稽古。 オープニングの芸者衆、幇間とのやりとりがとても楽しくなった。 2回やって、出てきづらいセリフというのが、確実にあることが判明。 なんでだろう?と原因を考えてみたら、どういう気持ちで言ってるのかが、はっきりしていないのだとわかる。 いろいろ考えるが、すぐに答えは出てこない。 もう少し、迷ってみようと思う。 帰り、昼間の稽古の懇親会に参加できず残念だった気分を、こちらの飲み会に行くことで埋め合わせ。 去年の「襤褸と宝石」以来、ひさしぶりなさくら水産にて。 昼間のリーディングでほぐれてしまった気分のまま、「根岸の一夜」のキャストのみなさんと楽しい時間を過ごした。ごちそうさまでした。
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