せきねしんいちの観劇&稽古日記
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2006年03月03日(金) 富士見丘小学校「卒業を祝う会」

 1週間ぶりに富士見丘小学校へ。保護者の方と6年生による「卒業を祝う会」にご招待いただいた。
 校長室からコウヘイくんにエスコートされて、体育館へ。他の6年生とも一緒の入場。体育館には保護者の方が勢揃い。拍手で迎えられててれくさい。先週の6年生のドキドキが想像される。
 お茶とお菓子をいただきながらの会はとても暖かいものだった。
 6年生のかつての担任だった先生方がいらして、彼らの思い出を語られた。そのはしばしが、この子たちがどれほどのびのびと育ってきたのかというものばかりだった。そして、それを撓めることをしないで、見守ってきた先生方の姿勢にも心を打たれた。
 先日いただいたDVDの「これは送る会まで見ないでください」といわれた、最後の章「すてきななかまたち」が上映された。6年生1人1人が低学年の頃のようすや小学校の入学式のスナップが今の写真と一緒に全員分。子ども達と一緒にわいわい楽しませてもらう。続きには、彼らが2年生のときの学習発表会の演目、たぶん「アリババと30人の盗賊」のミュージカル。小さな彼らが、歌い踊っている。去年も思ったことだけれど、6年になっての演劇授業の前に、彼らはいろんな演劇を経験しているんだということが、あらためてよくわかった。
 後半のプログラム「お楽しみ会」では、保護者の方の合唱、合奏。それに、先生方の出し物。なかでも専科の先生方の、「放課後の卒業式」のパロディはすばらしかった。劇中のセリフをすてきにもじって、原作の「冬はきらい」というのを「3月はきらい」にしてたりする。いくつもの名セリフ、名場面が登場して、懐かしい気持ちになり、子供たちと一緒にいっぱい笑った。
 芝居のセリフで遊べるというのは、ちゃんとその芝居がカラダに入ってるってことだと僕は思う。どんな芝居の稽古をしていても、そんなセリフのパロディなんかが普段の会話で出てくるようになるのは、いい稽古ができてる証拠のように思えるからだ。
 最後に6年生の合唱と合奏。それに、全員で歌っておしまい。初めて歌う歌を歌詞を見ながら歌う。歌い終わったら、ココちゃんに「さすが俳優」と言われる。まあね。
 小さなパンジーの鉢植えをいただいて体育館をあとに。校長室で、6年生のかつての担任だったお二方から、いろいろなエピソードをうかがう。玉川上水から枯れ枝をひろってきて二宮金次郎ごっこをしたこと、教室で飼っていた虫が羽化するのを給食そっちのけでみんなで見たことなどなど。いい話をいっぱいうかがう。もっと早く聞いておきたかったと思わずに、うんうん、そうだねと思えていることが、うれしい。
 来月から、もうすぐ次年度の授業が始まる。3週間後には卒業式、来週は5年生の授業を参観させてもらうことになった。年度末と卒業のさびしい季節が、あわただしさのなか、それでも新しい春の準備に向かっていく。一年になかなか節目のないくらしをしている僕だけれど、この季節のかわりめの重さといろんな思いの交錯はなかなかいいものに思えてきた。


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