せきねしんいちの観劇&稽古日記
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2001年12月04日(火) |
エト・セトラ劇場「人物たち」 |
シアターΧで、ロシアの劇団の芝居を見る。 演出、出演のカリャーギンという人は、昔、ニキータ・ミハルコフの「機械仕掛けのピアノのための未完成の戯曲」という映画に主演してた人だ。 この映画をもとに「ピアノ」っていう芝居が作られて、日本ではTPTが上演してるね。 このお話は、チェーホフの「プラトーノフ」をもとにしたもの。 カリャーギンは、プラトーノフ役を演じてた。 高校生の頃、三百人劇場で見たんだと思う。 なかなかおもしろかった印象がある。 で、今日の「人物たち」は、チェーホフの初期の短編小説をもとに5本の2人芝居をつくりあげたもの。 カリャーギンとシーモノフという二人の役者さんが、テーブルと椅子のみの舞台で、早変わりをしながら、どんどん演じていく。 当たり前なんだけど、全編ロシア語。字幕はなし。 最初にカリャーギンがでてきて、挨拶をする。通訳の女の人がいてね。 で、「ロシアの人間を一言で言えば、『今日は何ていい日なんだろう。お茶を飲もうか、それとも首を吊ろうか』と考えるような人たちです」という話をする。 「これから上演する5本の芝居もそのような人物ばかりが登場します」って。 で、芝居は、なかなかおもしろかったんだけど、言葉がわからないのは、かなり辛かった。 身振りや「セリフに頼らない」やりとりがたくさんだから、おおよその話はわかるんだけどね。 二人の演技はほんとに変幻自在で、次々といろんな人物を演じ分けていく。 セリフがよくわからない分、身体表現からしか情報が得られないせいもあるんだけど、細かい芝居をいっぱいする。それもやや大げさなね。 僕はふっと、昔々の三波伸介の芝居を思い出したなあ。 今で言うなら、芦屋雁之助だろうか? あんな、ある種コテコテの芝居。細かく細かく作り込んである。 って、いいかげんな感想っぽいけど、見てみてよかった芝居でした。 森下さん、ご案内どうもありがとうね。
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