2002年06月04日(火) |
硬水での石けん洗濯 − まとめ |
極端に暑い日と、極端に寒い日が交互にやってきて、少々風邪気味になりました。 健康維持に気をつけようと思っていた矢先だったので、ちょっと自分に怒っています。
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さて、去年の11月03日、06日、11日、12月18日、19日、今年の3月19日、4月5日と長らくシリーズでやってきた(ほんと?(苦笑))硬水での石けん洗濯、今日はそのまとめです。
振り返って読むと途中、実験レポート風になっていた時期もありますが、生来日常生活はてきとーに送っている人間ですので、締めは簡単に。(苦笑)
純石けんを使って硬水で洗濯するコツは
1.ジェル石けんを使う
ジェル石けんとは: 市販のものでも手づくりのものでもかまいませんが、粉でない純石けんなら、ピーラー、包丁、おろし金などを使って細かくしたものに同量程度のお湯を加えて一晩置いたものです。
お湯を加えた段階で、むらなく溶けるように少しかき混ぜておけば、完全には溶けていなくても大丈夫。1度に数回分をまとめて作ります。ジェル石けんを使うのは、固形や粉末より溶けやすく、衣類や洗濯槽に溶け残りの石けんがつくような事態を防ぎやすいからです。
お湯は精製水や軟水のミネラル・ウォーターを沸かしたものにしたほうが石けんが溶けやすく、石けんカスができにくいのでよいです。高温で洗うと香りが残りにくいので、ジェル石けんを作るときに精油を加えるのは気分次第です。
2.ジェル石けんを溶かすまえに重曹を混ぜ込む
重曹は硬水の水質を変え、石けんがより泡立ちやすく、洗浄力を発揮しやすくする助剤の役割を果たします。
洗濯のときに、前日までに作っておいたジェル石けんを1回の洗濯に必要な量、取り分けて、そこに重曹を加えて軽く練り込むようにし、熱湯を加えます。この場合、熱湯はできれば精製水や軟水にしたほうがいいですが、わたしは経済的な都合で浄水器を通した水道水を使っています。
ジェル石けんに重曹を練り込むのは、お湯を加えたときにすぐ溶け、しゅわしゅわと泡が出るからです。それを洗濯物の上から直接かけます。タオルなど、柔らかく洗い上げたいものがあるときは、洗濯槽のなかにさらに重曹を加えるとよいでしょう。そして蓋を閉めて、洗濯を始めます。
この段階で使う石けん、重曹、お湯の量は何度か試して適量を掴んでください。初めのうち適量の検討がつかない場合は、とにかく多めに入れたほうがいいです。石けんと重曹は多めに入れるほうが洗い上がりが柔らかくなる気がします。
ふつう石けん洗濯は「泡が命!」なので、とにかく泡立つまで石けんを追加するのですが、ドラム式の洗濯機の場合、洗濯物が上から下に落ちるときの物理的な力を使って汚れを落とすので、泡立ちについてそれほど神経質になる必要はないかもしれません。
3.40度以上で洗う
洗濯機の温度設定は 40 度以上にしてください。asahi.com のサイトに、洗濯槽や洗濯槽の裏側についたカビを落とすには、酵素系漂白剤を使うか、40度以上のお湯で洗濯機を回すとよいと出ていたからです。
40度以下で洗う必要のあるデリケートなものは手洗いをします。わたしは温度指定30度のものを何回も40度で洗っていますが、いままでとくに問題が起きたことはありません。でも、そういう冒険はあくまで自己責任でお願いします。ウールは30度以下、絹は25度以下でできるだけ手早く手洗いを。
省エネのことを考えると、消毒する必要があるのでないかぎり、60度以上の温度で洗う必要はあまりありません。温度を上げるとダイレクトに電気代にも響きます。
4.すすぎのときは酸性のものを
すすぎのときは、クエン酸かお酢を加えます。弱アルカリ性の石けんを中和して完全に流すためです。加える量は洗濯物の量によりますが、わたしは8度のお酢 300cc 程度を基準に調整しています。
湿度が低いため、ここで精油を加えても、洗濯が終るまでは香りが残りますが、洗濯物が乾くときには香りはほとんど飛んでいます。ですが、精油を加えないと、雨の日などには少しお酢の匂いがすることがあるので、匂いが気になる人は加えたほうがよいです。
注:ジェル石けんを溶かすときの重曹、すすぎのときのお酢、のうちどちらかでも省くと、洗濯槽の裏側の手触りがいつもとはほんの少し違います。べたつくとまでは言わないけれど、なにかが流れきっていない感じ。洗濯物の洗い上がりもごわごわします。洗濯槽の裏側は1回なら問題はありませんが、そのまま続けるとカビの原因になりかねません。たまたまどちらかが切れてしまっている場合は、60度、90度など高温で洗うほうが無難です。
注2:日本でも石けんで洗濯してみましたが、日本ではとにかく泡立ちにさえ気をつけておけば、洗濯物は簡単にふわふわになりました。フランスではまだ日本のときほどふわふわな洗い上がりになったことはありません。水の硬度を考えると石けんの量をもっと増やせばもしかしたらふわふわになるのかもしれませんが、いまの状態でも合成洗剤で洗ったときよりずっと肌触りがいいので、「ふわふわ」はあまり追及していません。
注3:硬水で洗濯するための助剤としては、重曹よりほう砂のほうが水の硬度を下げるのに有効らしいのですが、吸い込むと身体に良くないらしいし、重曹よりも高いので、わたしは重曹を使っています。
以上は、わたしがいろいろ試した結果からわかったことです。 より詳しく知りたいかたは 赤星たみこさんのページ と 石けん百科 を参考にしてください。
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そして、石けん洗濯に必要な石けんの量についてですが。。。
子どものころを思い出すと、合成洗剤の袋ってすごく大きかったんですよね。母の買物につきあうと、洗剤を持たされた記憶があります。洗濯のときもお米のカップみたいな大きなカップで計って入れていました。
最近は技術革新が進んで、合成洗剤の嵩はとても小さくなりました。
最近の洗剤と比べると石けん洗濯に必要な石けんの量ってなんて多いんだろう、こんなに使っていてはかえって環境に良くないのではないかと考えるのは自然なことだと思います。
でも、昔はあんな量だった合成洗剤をいまの量にするためになにをするかというと、素人のわたしには、機械などで圧縮したものを粉にするとか、高分子の、つまり密度の高いものを作るように工夫するとか、あるいは少量でも汚れが落とせるようにより強力なものにするとか、といった方法しか思いつけないのです。
そしてこのような方法で嵩を減らしたのだとしたら、使う量が多い少ないという点だけで、どちらがよりエコロジーかという結論を出そうとするのは早計な気がします。
わたしが続けているのは、
洗い上がりの肌触りが好きだから、もうすっかり習慣になったので、ジェル石けんを溶かす作業や、すすぎのときにお酢を加える作業を面倒だと思わなくなったから、そして、環境にもよさそうだと思える(本当に良いかどうかは証明できないけど)から、です。
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