2002年05月27日(月) |
アブラムシさんたちが教えてくれたこと |
11日の日記に近々なんて書いていましたが、実はその翌日にはうちの薔薇さんたちにぴったり寄り添っているアブラムシさんたちに石けん水を浴びてもらいました。
そもそものきっかけは4月18日と28日の日記で紹介した「北欧スタイル快適エコ生活のすすめ」で読んだスウェーデンの人の提案でした。
「花の油虫は石けん水をふきかけるといやがっていなくなります」
これはスウェーデンのある乳製品メーカーがエコロジカルな生活のためになにができるか、消費者からアイディアを募り、エコミルクのパックに載せた文章のうちの1つです。 (消費者は毎朝、このような文章が印刷された牛乳パックを食卓の上に見ることになるわけです)
石けん水をかなり吹きかけ水浸しにしても、アブラムシさんたちはいなくなってくれず。
ぜんぜんメゲてくれないんですけど〜(^^;; と思いつつ、しばらくやって諦めて、そういえば、カレンの本にもなにかあったと思って、読み返したところ。。。。
「石けん水を吹きかけると、干からびて死にます」
の表記が。
ええ゛〜〜〜、そんなぁ。
さっきまで、愛しの薔薇さんたちにくっついているアブラムシを見て、「憎まない、憎まない。わたしの今年の目標は憎しみを抱かないこと」って、一生懸命自分に言いきかせてたのは、いったい何だったのよぉ!! ちくしょー!!!
わたしのなかでは「いなくなる」は「どこかほかへ行く」という意味で、「この世からいなくなる」という意味ではありませんでした。要はうちの薔薇ちゃんたちから離れてくれればそれでよかった。
うみゅ〜、でももうやっちゃったのよね (--; ってことで、翌日。やっぱりまだアブラムシさんたちはへばりついていました。
憎まないので精いっぱい、まだまだアブラムシさんたちを慈しむことまではできないわたし、とりあえずお香の燃え残った心棒でそそっと茎(枝?)をこすってみると、アブラムシさんたちははらはらと下に落ちました。
あ〜あ、やっぱり殺しちゃった。ごめんねぇ。
とりあえずよかったことは化学的な殺虫剤を使わなかったことだけ。殺虫剤を使えば、それは茎(枝?)なり、葉なり、根なりから吸収されていつか花にたどりつく。わたしはそれを石けんや化粧品にして利用するわけで。
石けん水を使ったことでお花にもわたしにも負担は少なくてすんだけど、なにかほかに殺さないで、どこかに行ってもらえる方法はないものかしら?
なんてことを思いながら、2,3日。いままでただこすり落とすだけだと翌日にはしっかり復活していたのが、今度は戻ってこないのを確認して過ごすうち、日本のエコロジーニュースレター「Sympathy vol.6*」のなかの「土と地球環境」という文章が目に止まりました。東京工業大学の阿野助教授が書いたものです。
いまこの文章を読んでいるみなさんは、土ってどうやってできたものだと思います?
「土と地球環境」によると岩石や砂粒だけではどんなに細かく砕いていっても土にはならないのだそうです。
地表面にある岩石が数百年から数千年のあいだ、自然の力で少しづつ壊されて次第に細かい粒子になる。そして、そこに植物の落ち葉や枯れ枝、昆虫や動物の遺体、そしてそれを分解するさまざまな微生物、菌類などがいて、はじめて土ができるのだそうです。
イメージとしてはスプーン1杯の土のなかに、地球上の総人口に匹敵する数の微生物がいて、1つの生活空間を作り上げている感じ、だそう。
そして、土のなかに住む命あるものが複雑であればあるほど、その土の生産力は大きくなるのだそう。
って、いうことは!
な〜んだ。わたし1人が「絶対に殺したくないぃ〜」なんてがんばらなくっても、自然はもっと大きな包容力を持っていたんですね。
いやだな〜と思っていたアブラムシさんたちが実は、プランターだし日当たり悪いし、豊かになりようがないと思っていたうちの土を豊かにすることに役立ってくれていたのです。
こうなると、いなくなってほしいと思っていたくせに、なんだかちょっと親近感。ちょーしいいな〜、わたし。(笑)
あれから2週間が経ち、いままたアブラムシさんたちがやってきましたが、今度は憎まずに感謝しながら、石けん水を吹きかけることができそうです。
うちに来てくれてありがとう。
注:「Sympathy」は環境未来技術センターが発行しているニュースレターです。
連絡先は 財団法人 未来産業技術研究振興財団 〒105-0001 東京都港区虎ノ門1-19-9 虎ノ門TBLビル7階
わたしは以前、拙文を載せていただいた関係でその後の号も送ってもらっていますが、定期購読をご希望のかたは上記までお問い合わせください。
わたしが書いた文章は、このサイトや日記に書いてあることの要約なので、わざわざ取り寄せていただくにはおよびませんが、無農薬、無肥料での栽培法や週3回和食の給食を出す試みをしている幼稚園のはなし、日本のエコロジーな旅館のはなしなど、興味深いトピックが多いです。
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