11月07日の日記でご紹介した Sympathy の南極探索船しらせの環境対策の記事、やっぱりなかなかおもしろかったです。
周辺の海域を汚すわけにはいかないから、国際協定によってゴミの投棄が禁止されていて、船内に微生物さんたちのの助けを借りてゴミや排泄物を分解する設備を持っているそうです。
日本で水や食料を積んだあと、南極にたどり着くまで1度しか港で補給作業をしないのだそうです。乗組員は240名ほど。そんな人数分、行き帰り2度だけの補給作業で151日分を賄うので、けちけち生活の日々だとか。
その人数で1年の半分近くの期間というとすごい量の食料&ゴミですよね。ミミズを使ったコンポストはうまくいかないことが多いようですが、微生物さんたちに分解してもらう方法、一般家庭でも応用できるようになるといいのに。
それから山形県天童市の滝の湯ホテルさんでは3年前から厨房で出る廃油を原料とした粉末石けんで食器洗浄や清掃をしているとのこと。大量のシーツ&タオル類もクリーニング業者と協力して合成洗剤ではないもの(複合洗剤かな?)に変えたのだとか。
お料理も化学調味料は使わず、砂糖さえできるだけ使わないようにしているのだそう。そしてお野菜は社長さんが10年前からはじめた無農薬・有機栽培の農園で採れたものが使われ、生ゴミはリサイクル業者に委託して有機肥料や飼料にされているとのこと。
たくさんの従業員さんがいるので、ゆっくりとわかってもらえるように説明しながら、そして従業員さんたちも1人1人が必要だと感じたら、自然とそれが振る舞いに出るように...
って、なんだか格好よすぎるな〜(笑)。でも、写真に写っている社長さんのお顔が穏やかで、なんだか納得してしまいます。
そういえば、以前友人が来て、クレイだのハーブだのの買い物につきあったとき、彼女が、
「みんな穏やかな顔してて、肌がきれい〜」
と言っていました。世界で一番肌のキメが細かいのが中国人女性で次が日本人女性だとか。白人の女性達は若いころは肌がきれいでも年配になってもきれいな人は少ないのです。
ところが、自然食品店や、ハーブ屋さんで働いている女性達はほとんど素肌なのに肌に透明感があってキメも細かい。フランス人の一般の女性が割合ヒステリックなのに対して、とても穏やかでもありました。
わたしのほうは...
お店のなかがいい匂いなのは、掃除に塩素系の洗剤を使っていないからか、それともお野菜たちが元気だからか?と自問していて、そんなところには目がゆきませんでした。 ははっ。(笑)
* * *
「真珠の耳飾りの少女」という本があります。17世紀のオランダの画家フェルメールの家で働いた女の子が主人公なんですが、女主人のいいつけで、しょっちゅう Apothecary にお使いに出されます。
わたしの辞書では薬種商という訳が与えられているのですが、要はハーブ屋さんでした。子供たちの体調が悪いとハーブを買いに、耳にピアスの穴を開けるため、皮膚をマヒさせるものと相談に行けばクローブの精油を出される。
彼女はそれをピアスのためと説明しなかったので、あとで粘膜に刺激のあるクローブ精油のせいで炎症を起こします。そして、Apothecary では画材も売っていて、ラピスラズリを乳鉢で粉末にして青い色を出したりしていました。17世紀にはきっとハーブ屋さん=薬屋さん=画材屋さんだったのでしょう。
掲示板で炭は画材にもなると知って、画家からきれいな色を出す方法を教わっていた女の子のお話を思い出しました。
わたしはたまたま英語で読んだあと、友人の知人が訳をしたということで日本語の本と英語の本を交換したのですが、ラピスラズリもクローブも、そのほかのハーブもわたしには日本語のほうがピンと来ないのでした。(苦笑)
でも、クローブのオイルは当時、遠いところから運ばれてきたので高価だったこと、そして当時から生活のなかで使われてきたことを知って、ちょっと嬉しくなりました。
画家の生涯、技法についてもかなり詳しくリサーチしたうえで書かれていて、興味深い1冊。そういえば、描かれているフェルメールもその絵と同様、穏やかな人でした。
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