にあ日記
酒と薔薇の日々(目次の★は更新分)|酒(過去)|薔薇(未来)
どこにも行かないって約束するよ、と以前キミは言った。 あれは確か寒い冬の小田急線のプラットホームだった。 君のくれたコートの裾が風に泳いだのを覚えている。
でもそう言う人ほど居なくなっちゃうこと、今ではよく知ってる。
キミの腕の温度は温かくて、 包まれている間だけは寒さをごまかせる。 だけどそれは一瞬だけで、 その中から出たときに余計寒さを覚えるのは…
傷が癒えないのは、求めているものが違うから。 柔らかな月の光で包んでくれるヒト、 でもワタシに必要なのはあの光り輝く太陽なんだ。 刺々しいほどに自分勝手に照りかえる、 でもどうしようもなく魅力的なワタシの太陽。
「行かないでよ」なんていえるはずもなく、 ただ、心の中で謝ることしかできない。 だから優しい言葉を送ってこないで。 そんな目でワタシを見ないで。 そんな仕草でワタシに触れないで。
お願いだから、直球でデッドボールぶつけないで。 もうあのホームには戻れない。
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