モリハルゆ記

2010年03月20日(土) 民法858条

 身上配慮義務(民法858条) 
「成年後見人は、成年被後見人の生活、療養監護及び財産の管理に関する事務を行うに当たっては、成年被後見人の意思を尊重し、かつ、その心身の状態及び生活の状況に配慮しなければならない。」

 文部科学省『社会人の学び直し』委託事業として、東京大学・筑波大学が開催した、『市民後見人 養成プロジェクト』に参加した。



 年度末の3連休毎日午前10時から午後5時まで、100分授業が1日3セット、計900分のお勉強が、営団地下鉄本郷3丁目駅徒歩5分、目の前に鳩山邦夫事務所が見える東京大学にて行われる。「モリハルさん参加した方がいいよ」と知人から勧められた。モリハルお袋さんが現役介護認定者、自身も介護予備軍で生業が生命保険販売、いいかも!

 成年後見法は2000年4月に、それまで続いていた禁治産・準禁治産制度に代わる制度として施行された。それから10年経った今、同時期にスタートした介護保険の利用者が400万人、それに引き換え後見人制度の利用は12万人だそうだ。これはモリハル、どうにかせんと!

 授業の冒頭、民法858条こそが、成年後見人制度の根幹だと告げられた。「認知症の高齢者、障害者に対し、その意思を尊重し、かつ、その心身の状態及び生活の状況に配慮しなければならない」ということだ。そのとき、モリハルお袋さんがデイケアで通っている介護施設から携帯に電話が入った。「お母様の入れ歯が無くなりました」

 お袋さんは施設でお粥を食べたそうだ。話辛いだろうからコミニュケーションにも支障をきたしたであろう。すわ一大事!お袋さんの心身の状態、生活の状況に支障をきたしているやに違いない!既に授業料振り込んだ本日の講義終了後、すぐさま駆けつけた!

 入れ歯が無く、ぱっと見、讃岐うどんのルミばあちゃん似になってしまったお袋さんがフゴフゴ言った。「いつから無いのかわからない」そりゃ、まあ、そうだな。わかったらヘルパーさんが探してるわな。

 「したまま寝て、就寝中に外れた」 寝床を念入りに探した・・・ない

 「歯磨きして、その辺に置いた」 洗面兼用の流し周りを探した・・・ない

 「生活動線上にて、知らぬ間に外れた」 寝床〜トイレ〜台所探した・・・ない

 「なんでやねん、なんでないやねん」時間も遅くなってきたので、とりあえずの生活介護として、流しにあった食器を洗ったあと拭いて食器棚に戻していたら、な・な・な〜んと、整理整頓されていた味噌汁椀の中に、入れ歯さんがいらっしゃいました。あらま〜!乾燥してるじゃん!

 おそらく1日ぶりに装着した入れ歯により、お袋さんに笑顔が戻り、ルミばあちゃんがモリハルお袋さんに変身した。『身上配慮義務』の意味が少しわかったような気がした出来事だった。メデタシ!


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