夕食後、娘の唯ちゃんと散歩することが日課になってしまった。1階のゴミ捨て場に生ゴミとか持っていって、そのまま非常階段をぐんぐん昇っていく。モリハル一家の住んでいる階は2階なんだけど、初日は3階、翌日は4階と、日毎1フロア攻めて行った。

　そもそもの発端は、食事中に唯ちゃんがお母さんに怒られて泣きやまないから、怒られた理由を諭す父親の役として、彼女を外に連れ出した。そうしたら味しめちゃって、「保育園から帰ってきたときお母さんに怒られたよ。だから散歩、散歩」って、オイオイそれいつの話しだよ。

　最上階の11階まで来ちゃったんで、今夜は9階にある物干しエリアでしばらく時間過ごした。昨夜は主催している交流会“Spinach”があったんで、お散歩できなかったからね。

　その“Spinach”は、デザイナーとかクリエイターとか称する連中を集めて、毎回著名なパネラーを呼び、「ああでもない」「こうでもない」ってやる会なんだが、昨夜は『コーチング』のオーソリティを招いて『パーソナル・ブランディング』確立のワークショップを実演してもらった。

　モリハルもそのワークショップに参加し、『モリハル・ブランディング』確立のため、みんなの前で発表をした。

　「前の家族のとき土浦に家買って、同じ地区の土木屋社長が立候補した市議会選挙に奔走した結果当選し、その見返りに下水道工事を優先的にやってもらい我が家のウォシュレット化を実現したのだが、なんやかんやで離婚し、モリハルだけ家を出、子供達は今2時間かけて元気に東京の大学へ通っている」

　この発表による『モリハル・ブランディング』評価は、「風が吹けば桶屋が儲かる的、子煩悩親父」でした。