同じ空の下で。
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2003年06月17日(火) |
デイビッド・ベッカムの移籍を考える。 |
端整な顔立ちで、元アイドルの妻を持ち、ピッチのみならず、 ファッション界にまで足を踏み入れている デイビッド・ベッカム(27歳、田舎者) ちまたでは、彼の来期の去就が注目を浴びている。
彼の移籍問題は、レッドデビル(マンUの愛称)のサポーターのみならず、 イングランド国民、全世界のサッカーファンが注目している今ストーブリーグの 一番の話題なのは明らかなことであろう。
そもそも、彼の移籍問題はロンドンの名門アーセナル(愛称ガンナーズ)との 'theatre of dreams'(マンUのhome stadiumの愛称)での一戦後から始まる。
試合後、敗戦に怒りを覚えたマンUの監督、サー・アレックス・ファーガソンが ロッカールームでシューズを蹴り上げ、見事にベッカムの顔面ヒット。 (なんと気の荒い61歳でしょう。) それに激怒したというベッカム。
この後、日本の新聞報道では、かなりの盛り上がりようだった。 ベッカムVSファーガソンという図式でである。 あたかも、ベッカムの移籍が既成事実のように扱われたのだ。
しかしながら、事が起こっているイングランドでは、 日本のような報道は少なくとも この時点ではほとんどといっていいほどなかった。 あったとしても、90%がエロ記事なのに「〜スポーツ」と名のついた タブロイド紙などがせいぜいといった感がある。 あとは、イギリス人らしく、情報番組やお笑い番組で、 この事件を茶化すように出演者がベッカムを真似して、 左眉のところにバンソウコウを貼ったぐらいであろうか。
つまり、事件が起こった国では大した問題にならなかった事件が 遠い日本では移籍というスパイスがつき大問題になってしまったのだ。 もちろん、そこにはベッカムという日本における 商品価値が大いに影響しているのは明白であろう。
結局のところ今現在のイングランド国内の新聞紙上は分からないが、 マンUのオフィシャルHPで移籍問題がとりあげられた事実を考えれば、 日本の先走った報道に、イングランドで起こっている事実が追いついた。 という奇妙な現象を見ることができる。
さて、ここからジャーナリズム論を展開することもできるのであろうが、 今日はそのことは無視しベッカムの移籍自体は 実際にどうなるのか考えてみようと思う。
まず、結論から述べてしまおう。 僕の考えでは、ベッカムの移籍は無いと思う。 つまり、来期もボーダフォンの広告が胸についた マンUの赤いユニフォームを着て右サイドから 正確なクロスを送っているのではないかと思うのである。
そもそも、ベッカムの移籍にはあまりにもリスクが大きすぎる。 生え抜きであるベッカムはいわゆるマンUの顔である。 現在の主将であるロイ・キーン。彼がいないときにキャプテンマークをつける ライアン・ギッグス。彼ら2人の選手生命は終盤に差し掛かっている。 そのことを考えると、明らかに今後のマンUを引っ張っていくのは エリック・カントナの7番を引き継いでいるベッカムであることは疑いも無い。 もちろん、年齢的なこと、キャプテンシーを考えてもである。 それに、株式会社としてのマンUを商業的なことから考えると、 やはり商品価値のあるベッカムは、手放しにくい商品なのは間違いない。
また、ベッカムサイドから考えてみても、 他国のサッカーにすぐに馴染めるか? マクマナマン(レアルマドリーのイギリス人。元イングランド代表だが、 マドリーに移籍後はいまいちパッとせず、代表からも声がかからなくなった) のようになる可能性はないか? などといった、疑問が次から次へとわいてくるであろう。 やはり、かなりのリスクがあるのは事実である。 また、最近の報道ではベッカム自身、マンUから出たくないと公言もしている ということも、考慮にいれてもいいであろう。
このように両サイドから見て、この移籍にはネガティブな要素が 多いように思える。
さらに、もう一点。見逃しがちな大きなポイントがある。
と、いうことで、続きは明日。
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