2002年06月04日(火)
社会的に抹殺されてしまう彼らについてふと考えていた。 いや、もともと考えていたのは、「飛翼族」と「三目」……彼らのことだったんだけども。 自分にない者を持つ者達を恐れ、これを排除しようとするのは、遺伝的に刻まれた、種の保存本能なのではないかと思った。 中にはその力を我が者にしようと自ら近づいていく者もあるけれど、大抵の者は劣等感やら、得体の知れない者への恐怖から、異なる力を持つ者と関わることを拒絶する。拒絶するばかりか、集団になるとそのものを排除するため一致団結して、襲いかかっていく。孤独なその異能者に対する思いやりなど、僅かも見せることなく。だって、手心を加えたことがばれてしまえば、今度は自分が異端者として疑惑の眼差しを向けられるかも知れない……なんて怯えることはあるかも知れないけど。 結局は自分の身しか考えない、残酷な生き物だから?
種の保存本能は、生き延びるためにより良いつがいを求め、そして繁殖する。けれど、その過程で、もし「自分たちではない者」の遺伝子が混じってしまったら……? そして、その性質が、自分たちの能力を凌駕するものであったら。残ろうとしていたのは「自分たちの子孫」なのに、その先には「自分たちではないものの子孫」しか残らなくなってしまうかも知れない。「自分たちの種」は、滅ぼされてしまうかも知れない…… そう考えれば、自分とは違う力を持つ者を弾圧してしまうことを、心の弱さと蔑んでばかりもいられない。彼らは―――彼らの遺伝子は、それだけ、生き延びることに必死なのだから。
勿論、だから何も悪くないと言うわけでもなくて、増して、一方的に異能者は諦めろとか言うわけでもなく、そこに、無情な「血の呪い」とでも言うべきものを感じてしまうのだけれど。
「人間に紛れた●●」が出てくる話って言うのは沢山あって、それはしばしば「人類を侵略するための布石」などとして描かれたりする。そういう描写の中には「異能者への恐怖」って言うものが色濃く反映されてるんじゃないだろうか。或いは、それを意識的に煽っているものなんじゃないだろうか?
やっぱり善悪に言論的な話は好きじゃない。そう、再確認してみたりした。
|
|
|