思いつき日記
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2002年01月10日(木) 人生

『彼女たちは幸せを生きている。どんなに学んでもその幸せの域を出ないように
 教育されている。たぶん、あたたかな両親に。そして本当に楽しいことを、
 知りはしない。どちらがいいのかなんて、人は選べない。その人はその人を
 生きるようにできている。幸福とは、自分が実はひとりだということを、
 なるべく感じなくていい人生だ。
私も、そういうのいいな、と思う。
 エプロンをして花のように笑い、料理を習い、精一杯悩んだり迷ったり
 しながら恋をして嫁いでゆく。そういうの、すてきだな、と思う。美しくて
 優しい。ことにひどく疲れていたり、ふきでものができたり、さびしい夜に
 電話を掛けまくっても友人がみんな出はらっていたりする時、生まれも育ちも
 何もかも、私は自分の人生を嫌悪する。すべてを後悔してしまう。』


 吉本ばなな『キッチン』

この人の文章を読んでいると、不思議と生きる力が湧いてくる気がする。(単純)
何が一番大切で、何が一番辛い事なのかを知った気になった…

……

大学時代の友達からメールが届いた。年賀状をもらったのに返事がかけなくて
ごめんメール。メールをするのもほぼ一年ぶり。正直うれしい。
色々彼の近況を綴ったこのメールはかけがえない友達を持てた事を実感できて、
飛び上がるほど喜んだ。

『あまりにも不確かな時間や気持ちの流れの中で、五感には色々な歴史が刻み
 込まれている。さして重要でなかった、かけがえのないことが、ふいにこんな
 風に…で蘇ってくる。』


 吉本ばなな『満月』

たった一つのメールで、友達と会っていない5年間が吹っ飛んだ。
そこにいたのは紛れもなく、大学時代色々な時間を共有した遺伝子に刻み込まれた
歴史だった。電話で長話したこと。飯食いに行ったこと。一緒に町へ繰り出した
こと。下宿の風呂が壊れて銭湯に行ったこと…

久しぶりに会って話をしてみたいものだ。
隣の県に住むのに、まったく会っていない。


ドン |MAILBBS

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