福島の高校生、被曝線量調べた 国内外と比較、仏で発表へ(朝日新聞 3月21日)福島県立福島高校(福島市)の生徒たちが、国内外の高校生らに線量計を送り、個人の外部被曝(ひばく)線量を調べた。「フクシマに住めるの?」と海外の学生に聞かれたことがきっかけだ。結果は23日からフランスで開かれる国際高校生放射線防護会議で発表する。 担当したのは福島高校の生徒5人。同校は2012年からインターネット電話「スカイプ」などで海外の高校生とやりとりしており、その中で、東京電力福島第一原発事故後、福島市内でふつうに暮らしているのを驚かれることがよくあったという。福島県内の現状を知ってもらおうと調査を計画した。 昨年6〜10月、避難区域以外の福島県内、岐阜や神奈川などの福島県外、フランス、ベラルーシ、ポーランドの計約30カ所で、そこに暮らす高校生・教諭約220人の被曝線量を調べた。同じ線量計を身につけ、2週間の累積線量から年間の線量を計算した。 高校ごとの生徒らの数値を低い順に並べて真ん中にくる「中央値」は、福島県内が年0・63〜0・97ミリシーベルト(福島市0・86ミリ、二本松市0・97ミリ、いわき市0・69ミリなど)、県外は0・55〜0・87ミリ(岐阜県恵那市0・87ミリ、横浜市0・59ミリなど)、海外が0・51〜1・17ミリだった。福島高校2年の小野寺悠さん(17)は「避難区域以外では、福島県内とそれ以外の地域は大きな差がなかった」と話している。福島県内より温泉のある地域の方が放射線量が高いところもありますからね。避難区域以外では放射線量が他の県と同じぐらい低いことは前々から分かっていたことですが、こうやって調査して公表して示すことも大事なことです。外国では「福島県全体が汚染されて人が住めなくなっている」と間違ったままの印象を持った人もまだ多いですから、このような形も踏まえて地道な方法で誤解を払拭していくしかありません。そんな中で先月のウィリアム王子の被災地訪問で福島を選んでくれたのは嬉しかったですね。王子の訪問で被災地の状況などが世界に報道されますので。◆海水セシウム事故前水準に 第一原発の周辺以外 福大研究所報告(福島民報 3月20日)福島大環境放射能研究所の第1回成果報告会は19日、福島市の同大で開かれた。研究所の青山道夫教授は、東京電力福島第一原発周辺部以外の海水中の放射性セシウムが、原発事故前の水準に戻っているとの調査結果を示した。魚の筋肉への放射性セシウムの移行が、ほとんどの魚種で濃度低下していることも明らかにした。 青山教授はフランス放射線防護・原子力安全研究所、金沢大、電力中央研究所、県水産試験場などと進めている県沿岸部の調査、研究成果を説明した。 ウクライナの計算機・計算システム問題研究所環境モデリング部長から福島大環境放射能研究所特任教授に就任したマーク・ジェレズニヤク氏は、放射性物質の水系への移行予測モデル開発について発表した。チェルノブイリと本県との環境の違いを説明し、長年の研究から得た知見を本県の除染推進に生かしていく考えを示した。 成果報告会では、高橋隆行所長があいさつした。14件の研究報告の他、特別講演が行われた。 研究所は原発事故後の森林、河川、海洋などへの放射性物質の動態研究を目的に、文部科学省国立大学改革強化推進補助金の支援を受け、平成25年7月に設立された。不安を与える方ばかり声を大にせず、こういった良いニュースこそもっと大きく報じてほしいですよね。