官房長官 吉田調書を来月早い時期に公表へ(NHKニュース 8月25日)菅官房長官は午前の記者会見で、東京電力福島第一原子力発電所の事故で現場の指揮に当たった吉田昌郎元所長の聴取結果について、当初の方針を転換し、来月のできるだけ早い時期に公表する考えを示しました。政府は、東京電力福島第一原子力発電所の事故を巡って、政府の事故調査・検証委員会が聴き取りを行った700人を超える関係者の聴取結果について、本人の同意があれば公表することを検討したいとして意向調査を行ってきました。ただ現場の指揮に当たり、去年7月に亡くなった吉田昌郎元所長の聴取結果については、吉田氏が生前に「すべてが事実であったと一人歩きすることが危惧される」などとして公表しないよう求める上申書を提出していたことから、公表しない方針を示してきました。これに関連して、菅官房長官は午前の記者会見で、「記録の一部のみを断片的に取り上げた記事が複数の新聞で記載され、『一人歩き』とのご本人の懸念がすでに顕在化しており、非公開とすることでかえってご本人の遺志に反する結果となる」と述べました。そのうえで、菅官房長官は「状況の変化や吉田氏の上申書の趣旨を踏まえれば、ヒアリング記録を公表しても差し支えない状況になりつつある」と述べ、当初の方針を転換し、来月のできるだけ早い時期に公表する考えを示しました。また、菅官房長官は「開示する場合は、第三者の権利や利益、国の安全等に関する分野などを除いたうえで、ほかのヒアリング対象者の最新の記録開示とあわせて公表したい。今、順次、ヒアリングされた方に対して事務方が接触しており、了解をいただいた方から公開し、最終的には年内にすべて終えたい」と述べました。吉田元所長の証言記録が明らかに(NHKニュース 8月25日)東京電力福島第一原子力発電所の事故当時、現場で指揮をとっていた吉田昌郎元所長は、過酷な状況のなかで、次々と緊急事態への対応を迫られました。吉田元所長は、何を考え、どう判断していたのか。政府の事故調査・検証委員会が聴取した、延べ28時間、400ページに及ぶ証言記録が明らかになりました。「逃げてはいない」福島第一原発の事故当初の3月15日、東京電力が現場から撤退しようとしていると一部で指摘されたことについて、吉田元所長は「何をばかなことを騒いでいるんだと、私は一言言いたいんですけれども、逃げてはいないではないか、逃げたんだったら言えと。現場は逃げたのか、逃げていないだろう。これははっきり言いたいんです。逃げろなんてちっとも言っていないではないか」と述べ、強い不快感を示しています。そのうえで、吉田元所長は「最後の最後、ひどい状況になったら退避しないといけないけれども、注水だとか、最低限の人間は置いておく。私も残るつもりでした。例えば事務屋とか、いろんな方がいらっしゃるわけですから、そういう人は極力、より安全なところに行ってもらうということをしないといけないとは思っていました」と述べています。さらに、2号機が危機的な状況にあったことを踏まえ、当時の細野・総理大臣補佐官に電話で「プラントはものすごい危ない状態です、ぎりぎりです、水が入るか入らないか、賭けるしかないですけれども、やります。ただ、関係ない人は退避させる必要があると私は考えています、今、そういう準備もしています」と伝えたと述べています。また「ことばづかいとして『撤退』という言葉は使ったか」という質問に対し、「使いません、『撤退』なんて」と答えています。NHKが入手した吉田調書にも朝日新聞がスクープ報道したような原発作業の9割が勝手に撤退したという記述はありませんでした。朝日新聞は子の捏造にどうやって落とし前をつけるのでしょうか。朝日新聞がやったことは、当時これ以上被害を拡大させないよう必死な思いで食い止める作業にあたられた吉田所長や作業員への人権侵害ですよ。