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2014年07月20日(日) 血液型性格診断こそ我が国で蔓延しているニセ科学の代表格。

血液型と性格「関連なし」…日米1万人超を調査(読売新聞 7月19日)

血液型と性格の関連性に科学的根拠はないとする統計学的な解析結果を、
九州大の縄田健悟講師(社会心理学)が発表した。

 日米の1万人以上を対象にした意識調査のデータを分析した。
「A型の人は真面目」「B型は自己中心的」といった血液型による性格診断は、
国内で広く信じられているが、就職や人事などで差別される
「ブラッドタイプ(血液型)・ハラスメント」の問題も指摘されており、一石を投じそうだ。

 研究成果は6月25日に発行された日本心理学会の機関誌「心理学研究」に掲載された。

 縄田講師によると、血液型と性格を結びつける考え方は国内では流布しているが、
海外ではほとんど知られていない。
1970年代に出版された関連本がきっかけで、
その後もテレビ番組などで紹介されたことで広がったという。

 縄田講師は、経済学分野の研究チームが、
2004〜05年に日米の1万人以上を対象に、
生活上の様々な好き嫌いなどを尋ねた意識調査に、
回答者の血液型が記載されていることに注目。
血液型によって回答に違いがあるかどうかを解析した。

 その結果、「楽しみは後に取っておきたい」
「ギャンブルはすべきではない」など、計68項目の質問に対する回答のうち、
血液型によって差があったのは「子供の将来が気にかかる」などの3項目だけで、
その差もごくわずかだった。このため「無関連であることを強く示した」と結論づけた。

 血液型を巡っては、特定の血液型の人格が
否定的にとらえられる例があり、問題視されている。
厚生労働省によると、採用面接などで血液型を尋ねられるケースは後を絶たず、
同省は「血液型は職務能力や適性とは全く関係ない」として、
血液型を質問しないよう企業に求めている。大阪労働局によると、
採用試験の応募用紙に血液型などの記入欄を設けていた企業に対し、
是正するよう行政指導した例があるという。


論文はこちらです。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjpsy/85/2/85_85.13016/_pdf

各々育ってきた環境が違うのに血液型で4種類にきれいに

性格が分かれるわけがないのは考えたらわかる話です。

分かりきったものをあえて証明するために時間をかけた

調査作業に頭が下がる思いがします。

血液型信仰は記事にもある通り我が国だけなんですよね。

血液型別の行動パターンを観察するような番組さえありますが、

それを鵜呑みにして、いわれの無いレッテルや誤解による差別(いじめ)に繋がっています。

放送倫理・番組向上機構BPOから各テレビ局に要望が出されてもいるのですが、

BPO 「血液型を扱う番組」に対する要望

この要望書が提出されたのは2004年だというのに未だに改善されることはありません。

最近では放射能に関するデマなどがるように、

ニセ科学は人や経済に打撃を与えるものですが、

血液型性格診断こそ我が国で蔓延しているニセ科学の代表格でしょう。

数年前に流行した血液型別にした性格説明書なんて本がありましたが、

あれだけ大量に行動パターンを書いていれば、

誰でも自分の性格に当てはまるものが存在して当然だと思いました。

しかも、ほかの血液型にも自分の性格に当てはまるものがいくつも在りました。

血液型性格診断で、

A型は優柔不断、B型は自分勝手、O型はマイペース、AB型は変わってる

なんて感じに性格パターンが当てはめられてしまうことがありますが、

言い方が違うだけで全部同じような意味だというように、

要するに、血液型別の性格診断なんて、

裏を返せば微妙に言葉を変えているだけのものではないでしょうか。

そろそろ、この血液型性格診断というニセ科学から解放されてほしいと思います。









名塚元哉 |←ホームページ