双葉住民「周囲にはいない」 美味しんぼ“鼻血”に批判(福島民友 4月30日)小学館の漫画誌「週刊ビッグコミックスピリッツ」の28日発売号に掲載された人気漫画「美味(おい)しんぼ」の中に、東京電力福島第1原発を訪れた主人公らが原因不明の鼻血を出す場面があり、同誌編集部に「風評被害を助長する内容ではないか」などとする批判が相次いで寄せられていることが29日までに分かった。 双葉町からいわき市の仮設住宅に避難する直売所経営松本正道さん(50)は「原発事故以降、双葉町には何度も入っているが、鼻血や体のだるさを覚えたことはないし、周囲でそのようなことを訴えている人もいない」と指摘。「多くの人が読む有名な漫画だからこそ、原因がはっきりしないことを書いてしまえば、あたかもそれが真実なのだと誤解される恐れがある。一町民として、極めて遺憾に思う」と批判した。 また、福島市の派遣社員羽田利秋さん(64)は「作者は県民の意識をよく理解していない。安易な取材で、このような表現をしてほしくない」と憤った。『美味しんぼ』で描かれた鼻血の話は今もネット上で議論が盛り上がっています。スピリッツ編集部は福島での放射線濃度と鼻血を結びつける意図はないとしていますが、何が一番ダメかというと前福島県双葉町長の井戸川克隆氏をマンガで登場させて「私も出る」「福島では同じ症状の人が大勢いる。言わないだけ」と発言させているところなんですよね。福島県双葉町の前町長が言うのだから「本当なのかもしれない」と読者に思わせてしまう危険性があることを編集部側は理解していないのでしょうか。この井戸川克隆氏ついてはトンデモな発言の多い人物のようで、特に有名な発言が「政府と東京電力は3.11に地震と津波が起きることを3月3日に把握していたが隠していた」です。他にも「福島では子供がどんどん死んでいる」とか妄想による思い込みと陰謀論ありきの方でようで、そりゃこんな人に取材したら「鼻血が出る」と言うに決まってますよ。スピリッツは次号で改めて見解を出すそうですが、放射能と関連付ける悪意がないなら、そもそも元町長の場面は必要ないわけで、実在する人物を使って実態とはかけ離れた印象を与えているのですから、明らかに風評被害を助長する行為ではないでしょうか。この点に関して言い訳のしようなんてないでしょう。