国内クリエーター結集を=クールジャパン推進で―政府(時事通信 4月3日)政府は3日、クールジャパン推進会議を開き、食やアニメ、ファッションを「クールジャパン」(格好いい日本)として外国に売り込むための具体策を議論した。民間議員で「AKB48」プロデューサーの秋元康氏は「日本中の優秀なクリエーターにひと肌脱いでもらうべきだ」と指摘。アニメや芸術の関係者に、ポスターやキャッチコピーづくりに無報酬での協力を求めるよう提案した。 角川グループホールディングスの角川歴彦会長は、日本製アニメの影響を受けた海外のいわゆる「オタク」を教師に起用して「シンガポールやインドネシアなどにクールジャパンを教える学校を10校程度設立すべきだ」と提言。茶道の裏千家家元、千宗室氏は「茶道を学んでいる学生を海外に派遣してはどうか」と提案した。 推進会議は月内に提言をまとめ、政府が6月にまとめる成長戦略への反映を目指す。以前に大阪の市役所がデザイナーをタダ働きのボランティア扱いで募集したら、批判を買って募集を取りやめたことがありましたが、趣味を仕事にしている人は好きなことが出来ているのだから、無報酬でも率先してやってくれるんじゃないかという安易な発想を持っている人が多いのは、なぜなんでしょうか。Pixivやニコニコ動画などで作品をアップしている人は、ほとんどが無報酬でアップしていますが、それは作品への愛があるから報酬が発生しなくても自分の作った作品を自発的に発表しているだけで、誰かに命令されたわけでもないのですが、秋元氏はそれをイメージしての発言なのかもしれないと思います。ただ、芸術家にしろデザイナーにしろ漫画家にしろ成功しているのはほんの一握りで、ほとんどの人は薄給の中で創作していますし、アニメーターの給料なんて本当に酷いものです。本来なら、そういう芸術分野で活動している人達が創作の世界だけで活き活きと活動できるように、500億円も計上されているクールジャパン推進委員会が、この先、さらに飛躍するであろう芸術家や作品に対して金は出すけど口は出さないで支援するぐらいの心意気を示すところを、お国のために無報酬でひと肌脱いでもらうのはどうかという考えは、自分やまた周囲(例えばAKB)で関わっている人達が、作品を生み出す大変さを理解している秋元康さんとて、この認識なのかと驚きましたね。それに、現在『クールジャパン』として海外で人気を博しているマンガ・アニメ・音楽など日本製の物は、日本人が外国人に「面白いよ」と勧めたりして、自然発生的に広がって行ったものがほとんどです。それを今度は国がごり押しで売るのは韓国の韓流と同じでしょう。韓流は日本で成功したけれど外国じゃ泣かず飛ばずなのだから、下品なごり押しはウケないそれが答えで、むしろ韓流を反面教師にして、違う売り込み方をすればいいのにとさえ思います。また、クリエイティブの業界にはよくあるのですが、使ってもらえるだけありがたく思えとか、売れたいんでしょ?みたいな他人を見下したり、中抜きビジネスモデルなど、これまでの業界の態度を改めない限り、今はクールジャパンとして世界的に人気のあるクリエイティブ産業も衰退していくのではないでしょうか。