<アルジェリア事件>犠牲者の氏名公表へ…政府(毎日新聞 1月24日)アルジェリアの人質事件で、政府は24日午後(現地時間24日午前)から、首都アルジェで残る日本人1人の安否確認作業を再開する。救出された日本人と犠牲者の遺体を搬送する政府専用機は同日午後(現地時間同日午前)に現地を出発し、早ければ25日朝に羽田空港に到着する予定。菅義偉官房長官は24日午前の記者会見で、専用機の到着後に、政府として犠牲者9人の氏名を公表する方針を明らかにした。 安倍晋三首相は24日朝、2人の死亡確認について首相官邸で記者団に「大変残念です」と語った。 城内実外務政務官らは24日以降も現地にとどまり、アルジェの病院に搬送された身元不明の遺体などの調査を進める。菅氏は会見で「遺体は損傷が激しいものも含まれており、慎重に確認作業を行っている。かなり長い時間がかかるだろう」との見通しを示した。 政府はこれまで、家族や日揮の意向を踏まえて犠牲者の氏名を公表してこなかったが、菅氏は「私の定例記者会見で、政府としての責任のもとに公表したい。(日揮から)公表に理解をいただいた。明日専用機が到着するので一つの区切りになると思い、公表する」と説明した。日揮や政府が家族の意思を尊重して氏名の公表を控えていても、メディアの勝手な判断によって、行方不明者を含めてすでに報道されまくっていますから、もう今更、公表を控えることすら意味がなさなくなっています。【アルジェリア人質事件】死亡者氏名 「家族に配慮」公表せず(産経新聞 1月24日)アルジェリア人質事件で死亡が確認された日本人について、政府は23日になっても氏名や年齢を公表せずにいる。被害にあったプラント建設大手「日揮」が遺族への配慮を理由に公表を控えるよう求めているためという。だが、すでにメディアによる実名報道が先行し、一部遺族が取材に応じるなど非公表は有名無実となりつつある。説明責任の観点から情報隠(いん)蔽(ぺい)の批判にさらされかねない。 菅義偉官房長官は、23日夜の記者会見で、新たに2人の死亡を確認したことを発表したが、氏名の公表については「家族の皆さんが動揺して、『そこだけは勘弁してほしい』としている。今の時点で発表するつもりはない」と述べた。 日揮は、救出された人たちの記者会見を開かない方針も示している。 外務省は23日の衆院海賊・テロ対策特別委員会理事懇談会で、安否不明の日本人について現地政府が「死亡した人質」と説明した23人の中に含まれている前提で安否確認を急いでいることを明かした。安否不明者の確認作業が終わっていないことも公表しない背景にあるとされている。 しかし、氏名を公表しないことによって、ネット上などで不確かな情報が飛び交う事態が起き、かえって混乱を招いている。 政府はこれまで、海外で事件や大事故に巻き込まれた犠牲者を公表してきた。家族や会社への配慮を理由にした非公表は、最近では例がない。犠牲者名を早期に公表した米国とは対照的だ。> しかし、氏名を公表しないことによって、ネット上などで不確かな情報が>飛び交う事態が起き、かえって混乱を招いている。 大津市の虐め自殺事件では、加害者や加害者の親族と間違われた人の情報が氾濫していましたが、今回の件では、私の知る範囲において個人情報が晒されているなどの不確かな情報を見た記憶が無いんですけど。そもそも、遺族が公表を控えてほしいと日揮と政府に希望していたのですが、その意思を無視して独断で氏名を公表して、遺族や友人やご近所に突撃報道(メディアスクラム)を始めたことや、遺族の姪御さんらしき方が、朝日新聞の取材に対して、約束を破られたと取材に対する憤りを次々に発信されて、ついには朝日新聞社に抗議文を提出するまでに至っています。アルジェリアのテロ犠牲者の、朝日新聞の実名報道に対する遺族関係者のツイートまとめこれらの事例によってネット上で批判の声が高まっているのですが、取材する側がそういった事実を棚に上げて、これまでに起きた事件と同列にしてみたり、実名報道の重要性だけで語っているのはちょっと違うと思うのですが、ただ、メディアが言う犠牲者がどのような人物だったかを報道しないと、事件の悲惨さが見えてこないという理由も理解でき、亡くなられた方の名前やどんな人だったを伝えてもいいし、遺族の声を聞くこと事態を否定はしません。今回も優秀なエンジニアが亡くなったことや遺族の声に私も心痛めていますし。しかし、遺族が氏名の公表を嫌がっているのであれば、その意思を尊重してあげてほしいとは思います。誘拐事件が起きた時から被害者のご家族の方々が公表を嫌がったのも、報道によって好奇の目に晒されることや、これまでの事件事故で被害者や遺族となった方々に対して、メディアスクラムで押しかけたり、時には被害者や遺族をバッシングするなど、本当に酷い報道を目の当たりにしてきたことも理由にあると思います。公表を嫌がったのはメディアの配慮しているのか疑問に思えるような、これまでの報道のやり方が招いた結果ともいえるのですが、しかし、伝える側がそのことを反省もしてないし理解もせず、公表を控えても、独自に探し出して家に押しかけており、1社が遺族の意志を無視した報道を開始したら、他の社も追随して自宅に押し掛けたりして取材攻勢をしかけ、けっきょくのところ遺族の気持ちは無視されて、これまでの報道のやり方と変わらない結果を招いています。遺族の気持ちが落ち着いて、話してもいいという心境になってから取材に行くよりも、ニュースバリューとして注目を集めている今じゃなきゃダメなんでしょうか。この先、何らかの事件や事故が起きて、その時の被害者や遺族が非公表を願い出ても、その声は無視されて同じ事が繰り返されるのでしょうね。関連リンク:毎日新聞出身の佐々木俊尚さんのブログアルジェリア人質殺害事件とメディアスクラム実名報道について(梶原健司) - BLOGOS(ブロゴス)