党首交代なら3党合意は無効 輿石氏(産経新聞 8月9日)民主党の輿石東幹事長は9日の記者会見で、野田佳彦首相と谷垣禎一・自民党総裁、山口那津男・公明党代表による党首会談の合意に関し、9月の民主党代表選や自民党総裁選で党首が再選されなかった場合は無効になるとの認識を示した。 輿石氏は「2人とも代わることはまずないと思うが、2人がいなくなったら2人の話は終わりだ」と述べた。また、解散時期に関し「すぐ解散できる状況ではない」と述べ、今国会中の解散はないとの認識を示した。特例公債法案や衆院選挙制度改革法案について「今国会中に結論を得ないと国民の理解を得られない」と述べ、解散前の成立の必要性を強調した。自民と民主の代表が変われば「近いうち解散」の話が無効になるなら、自民党としては谷垣氏の続投でいいわけですよね。輿石氏は「なんとしても代表を変えるよ」って手の内をばらしているわけですが、聞いてもいないのに悪の計画や自分の弱点をベラベラと喋るライダー怪人と一緒ですね。◆発信箱:よくあること=落合博(論説室)(毎日新聞 8月9日)業界の常識が世間の常識とずれていることは少なくない。世間に説明するのが難しい行動を取った人への批判を和らげ、事態を沈静化させる魔法の言葉がある。「よくあること」だ。言われた方は納得したような心地になり、議論は深まらない。 ロンドン五輪のサッカー女子1次リーグの最終戦で、日本の監督は後半の途中から「引き分け狙いの試合」をしたことを記者会見で明かした。2位になった方が準々決勝の戦いが有利になるとの判断で、1位にならないために、わざと勝ちにいかなかったという。結果的に日本は決勝まで進み、監督のもくろみは当たった。 昨年の女子ワールドカップ優勝が、それまで女子サッカーに興味も関心もなかった人たちをも巻き込んで社会現象になったのは、体の大きな外国人に対して、全力で、ひたむきに挑んでいく彼女たちの姿に多くの人たちが共感したためだろう。 「がっかりした」「対戦相手への敬意はないのか」という声に対して、元選手や評論家らは「サッカーではよくあること」や「成熟したサッカーファンは駆け引きを含めて楽しんでいる」などと擁護した。知り合いのサッカージャーナリストがバドミントン女子の無気力試合にも触れて、「勝とうとしないのは『スポーツの基礎』を危うくする。この考えは正論だろう」とブログに書いたところ「スポーツをやったこともないやつが言っているだけではないか。何も分からんくせに批判なんかして、足引っ張るな」との書き込みがあった。 業界の常識と世間の常識のどちらが正しいか一概には決められない。ただ、「よくあること」で済ませていてはせっかくの共感を失いかねないし、世間には説明が難しい「不都合な真実」に目をつむることは成熟でもなんでもない。次の試合の移動距離と時間で疲労が蓄積される選手の負担を考えて守備的戦略で引き分け狙いの試合をしたことに、お互い負けたくて点を差出しあった無気力試合のバドミントンと同列に扱って、まだ批判している人達がいるけど、サッカーの引き分け狙いって、ちょっとでも隙があれば点を入れられるから、点を入れられると1点を取り返さなきゃならなくなるしで、 そう簡単にできるもんじゃないんですけどね。移動距離と時間などのことを考えれば、戦略として充分にありだったと思います。まあ、「主力温存したら引き分けちゃいました」と言ってもよかったのに、佐々木監督が正直な話しちゃったもんだから、こういう批判が出てくるんでしょうけど、こういう批判をしている人って、「根性」とか「全力」とか「死に物狂いでやれ」がスポーツの世界で持て囃されていた団塊の世代の古い価値観に縛られた人なのかもしれませんねぇ。思い起こせば以前は「オリンピックを楽しんできます。」なんて発言も「戦いの場を楽しむとは何事か!」と叩かれていたもんです。さてさて、女子サッカーは泣いても笑ってもあと一試合。9万人収容のスタジアムという最高の舞台で、最高の宿敵と最高の試合を大いに楽しんで挑んでほしいですね。そして、願わくば頂点に立ち最高の笑顔と涙を見せてほしいです。